著しい成長・発展をみせるベトナムでは、人口の増加によってインフラ整備の需要が高まるとともに、より民主主義的な方向への法改正の動きなどから、不動産投資への外国人の参入増加の流れが生まれつつあります。今回は、そんなベトナム国内で起きている変化について見ていきます。

人口急増中のホーチミン市は「インフラ整備」が急務

ベトナムでは、北部のハノイを中心とした地域と南部のホーチミン市を中心とした地域での人口が急増しています。特に、外国人の居住も多いホーチミン市では、人口の急増によるインフラ整備など、諸問題への対策が協議されるようになりました。

 

同市の人口は、1975年の300万人から現在は840万人へと増加しています。この数字は公式のデータですが、非公式の人数も加えると実態の人口はもっと多いと考えられます。さらに近隣の省から300万人程度が就業のために流入しており、昼間の社会人口はもっと多いものと思われます。あわせて、市のモータバイクの所有台数は760万台、自動車は70万台に上っており、過密状態が増しています。

 

ホーチミン市人民委員会では、喫緊の課題を「道路整備」と捉え、対策を講じ始めています。また、無計画な都市化に歯止めをかけ、自然排水を確保するなど、バランスの良い都市開発に舵を切ろうとしています。ホーチミン市のグエン・ティエン・ニャン書記は、「人気都市・ホーチミンへの移住を禁止することはできないため、より迅速な整備体制を作りたい」と話しています。

 

今後、ますますインフラの整備は加速していくのではないでしょうか。

「土地法」が改正されれば、外国人の土地利用も可能!?

ベトナムの国土を管轄する資源環境省は、2013年改正された「土地法」(2014年7月施行)を改正・補足する法草案を発表し、意見聴取を行っています。これはマスコミによってもすでに報じられています。

 

同省では、外国人による住宅購入条件を定めた「改正住宅法」(2015年7月施行)に内容を合わせるため、同草案に土地使用対象者に「住宅法でベトナム国内の住宅の使用が認められている外国人」を追加することを提案しています。これが可決されれば、外国人も土地使用権証明書を取得できることになります。

 

2015年施行の住宅法のガイダンスとして、外国人に与えられる住宅の所有期限は50年間ですが、所定の手続きを行えば1回に限り更新が認められます。更新が認められれば、追加で50年延長できることになりました。このような改正により、従来の社会主義的な不動産の法制が、より資本主義的に変化する流れが明確化しています。

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