近年のベトナム都市部では、スーパーやコンビニなどの近代的小売店が大変な勢いで増加しているほか、不動産市場における売れ筋物件の傾向にも変化が見られます。今回は、調査会社や不動産会社が発表するレポートをもとに、ベトナムの現況と不動産市場の動向を見ていきましょう。

6年で4倍に急拡大した、ベトナムのコンビニ店舗

米国の市場調査会社ニールセン(Nielsen)によると、2018年1~3月期の日用消費財市場では、パパママストアと呼ばれる小規模雑貨店や、市場などの伝統的な小売店が前年比で1.0%減少し、コンビニやスーパーマーケットなど近代的な小売店の売上げが増加していると伝えています。

 

特にコンビニは大都市部以外にはありませんが、ハノイ市、ホーチミン市、ダナン市、カントー市の4都市の店舗数が2012年から6年間で4倍と急拡大しているとのことです。あわせてヘルスケア商品、美容商品、医薬品の専門店がこの2年で2倍へと増加しているようです。こうした近代的な小売店の増加が、伝統的な小売店の減少に拍車をかけているように見て取れます。

 

4都市の中でもホーチミン市の近代的小売店の増加は著しく、Jones Lang La Salle社の調査によると、3月末時点でコンビに、ミニスーパーの店舗数は1800箇所程度となり、総面積は前年比5.1%増加の27万㎡に上っているとのこと。この傾向が鮮明になると、ホーチミン市だけでなくハノイ市にも拡大し、徐々に全国的な傾向になりつつあるといえます。

2018年のホーチミン市コンドミニアム市場の動向は?

CBRE Vietnam社によると、2017年ホーチミン市では顕著な変化が現れているといいます。31,000戸のコンドミニアムが販売されましたが、全体の64%が「ミドルエンド」の物件であったようです。その次が21%の「ハイエンド」と続きます。従来は「ラグジュアリー」の割合が多かったのですが、ローエンドセグメント化が進み始めているようです。

 

同社はコンドミニアムを四つのカテゴリーに分けています。1㎡当たり800USD以下を「リーズナブル」、800~1,500USDを「ミドルエンド」、1,500~3,500USDを「ハイエンド」、3,500USD以上を「ラグジュアリー」と分類しています。

 

2018年第一四半期の売上げは、旧正月の時期が含まれているにもかかわらず、新規供給数は昨年同期比79%増の9,503戸と増加しています。このうち「ミドルエンド」が71%となっています。売上げも好調で、9,260戸が売れ、前年同期比26%増を記録しているようです。

 

「リーズナブル」、「ミドルエンド」の物件の購入者は、プロジェクトの安全性を見極めて、評判の良いデベロッパーを選別する傾向が強まりそうだといっています。この傾向は2020年程度まで続き、「ハイエンド」、「ラグジュアリー」物件の供給量は減少するものの、市場は全体的に持続的に発展すると見ています。

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