(※写真はイメージです/PIXTA)

長年連れ添った夫婦でも、退職や子どもの独立をきっかけに、二人で過ごす時間や生活のリズムは変わります。離婚するほど関係が悪いわけではない。それでも同じ家で暮らし続けることには疲れてしまう――。そんなとき、婚姻関係を続けながら住まいを分けるという選択肢もあります。

家賃5万8,000円でも…戻りたいとは思わなかった理由

由美さんが借りたのは、夫婦の自宅から電車で20分ほどの1DKです。

 

家賃は月5万8,000円。管理費や光熱費も加わるため、当然、夫婦で一緒に暮らしていたころより住居費は増えました。

 

家具も最低限そろえました。

 

一方、生活費を完全に別々にしたわけではありません。年金や預貯金を含む家計について話し合い、住居費を含めてそれぞれが使う金額を決めました。自宅マンションには正夫さんがそのまま住んでいます。

 

別居して最初の朝、由美さんは午前8時過ぎまで寝ていました。朝食はトーストとコーヒー。昼になってもお腹が空かなかったため、簡単に済ませました。

 

「『お昼どうしよう』って考えなくていいんだ、と思ったんです」

 

もちろん、すべてが快適だったわけではありません。

 

体調を崩したときには、一人でいることを心細く感じました。家賃を含めれば年間70万円以上の負担になります。

 

それでも、夫婦の関係には思いがけない変化がありました。

 

別居後も週に1回程度は会っています。

 

一緒にスーパーへ買い物に行くこともあれば、自宅マンションで夕食を食べることもあります。正夫さんが由美さんの部屋へ来る日もあります。

 

以前なら毎日顔を合わせていたため、夕食時の会話も「今日何してた?」程度でした。今は数日ぶりに会うと、それぞれ話すことがあります。

 

「この前、病院どうだった?」

 

「来週、あの店に食べに行かない?」

 

そんなやり取りが増えました。正夫さんも、一人で暮らし始めてから料理をするようになりました。

 

「最初は総菜ばっかりだったみたいです。でも最近は味噌汁くらい作っているらしくて。私が作らなくても、ちゃんと生活できるんですよね」

 

夫婦が別居していても、婚姻関係がなくなるわけではありません。法律上の夫婦である以上、民法上の扶助義務なども残ります。そのため、別居を選ぶ場合には、住居費や生活費をどう負担するのか、財産をどう管理するのかなどを事前に話し合っておくことが重要です。

 

由美さん夫婦も半年ごとに、別居を続けるか話し合うことにしています。

 

最初の半年が過ぎたとき、正夫さんから「そろそろ戻ってきてもいいんじゃない?」と聞かれました。

 

由美さんは少し考えてから、「もう少しこのままがいい」と答えました。正夫さんも、それ以上は反対しませんでした。

 

「夫婦って、毎日一緒じゃなくてもいいんですね。前より会ったときに普通に話せるようになりました」

 

熟年期の夫婦にとって、別居が誰にでも適した選択とは限りません。住居費は増え、体調や介護が必要になれば生活の形を再び考える必要もあります。

 

由美さん夫婦も、これを「一生続ける」と決めたわけではありません。

 

ただ、離婚するか、我慢して同居を続けるか。その二つだけで結論を急がず、いったん暮らす場所を分けてみたことで、二人にとって無理のない距離が見えてきました。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧