1450万円で買った箱根のリゾマン、恐ろしい現状
もう一つ、私が相談を受けた別の事例を紹介したい。神奈川県・箱根のリゾートマンションだ。1990年築、100平米の3LDK。2004年に相談者の義母が1450万円で購入し、10年ほど居住した後は空き家に近い状態になった。年間30万円超の維持費を払い続けながら、10年近く売却活動をしているが、買い手がつかない。
調べると、まずレインズ(不動産流通機構)に物件が掲載されていないことがわかった。相談者が依頼した業者は「掲載している」と言っていたが、実際には登録されていなかった。両手仲介を狙って囲い込みをしていたと考えるのが自然だ。
釣り糸を垂らさなければ魚は釣れない。広告を出さなければ買い手は現れない。当たり前のことが、長年にわたって放置されていた。
民泊も賃貸もダメ、「飯場になる」と猛反発…住人のエゴが再生の可能性を絶つ
さらに深刻なのが、管理組合の問題だ。以前、工事関係者に賃貸しようとしたところ、管理組合の役員から「飯場になる」と猛反発を受け、臨時の役員会に呼び出された。住居として利用するという管理規約の文言を根拠に、賃貸自体を問題視されたのだ。民泊も当然禁止。
箱根という立地を考えれば、民泊が可能であれば1泊1万5000円以上の需要が十分に見込める場所だ。しかし古くからいる住人たちが仕切る管理組合が、その可能性を閉ざしている。
値段を下げようとすれば「物件の価値を下げるな」と嫌味を言われる。売れないまま年間30万円以上が出ていく。1450万円で買ったものが、今や400万〜450万円にしかならない。それでも売れない。
「いずれ資産になる」の先に待っている“お荷物”
苗場も箱根も、バブル期には「値上がりする資産」として買われた。当時の熱狂の中で、価値が上がり続けると信じることは当然だっただろう。問題は、その後30年以上にわたって、「いずれ資産になる」という言葉とともに現実から目を逸らし続けたことだ。
不動産の価値は、需要があって初めて成立する。立地条件が変わり、人の流れが変われば、かつての「資産」はただのお荷物になる。苗場のオーナーも、箱根のオーナーも、それを30年かけて知った。
バブルが弾けた後に何が残るか。答えはすでに、苗場の閑散とした駐車場に、箱根の売れない分譲マンションに、形として存在している。
滝島 一統
株式会社光文堂インターナショナル
代表
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【事業投資】9月8日(火)オンライン開催
《即時償却×想定利回り8.4%》
無人運営で手間なし!「ワーキングブース投資」の全貌
【国内不動産投資】9月16日(水)オンライン開催
初期費用の最大95%短期償却も!
収納ニーズの増加で注目高まる「トランクルーム投資」


