地方圏市場における大きな価格変動
主要都市部が堅調な推移を見せる一方、地方圏では地域による価格や利回りのブレが目立っています。
区分マンション市場において、信州・北陸エリアの平均価格は前月比で28.21%の上昇を記録しました。前年同月比では46.30%の下落となっており、短期的な変動の大きさが浮き彫りになっています。北海道は前月比で15.00%下落し、東海エリアも10.82%下落しました。
一棟アパートの平均価格に関しても、前月比で上昇したのは中国・四国エリアの13.42%増のみです。その他のエリアは揃ってマイナスへ転じました。前年同月比では北海道が13.83%増と堅調さを示した反面、東北は10.89%の下落となりました。
一棟マンションでも前月比で上昇したのは東北の6.17%増と首都圏のみでした。中国・四国の16.44%減、九州・沖縄の13.20%減をはじめ、多くのエリアで価格が下落する結果となっています。投資対象の選定において、地域ごとの需給バランスを個別に極めて慎重に見極める必要性が高まっています。
東京23区に需要が集中する構造的要因
なぜこれほどまでに東京23区への価格集中が起きているのでしょうか。その背景には構造的な人口動態と世帯構成の変化が存在します。
総務省が公表している「住民基本台帳人口移動報告」のデータを参照すると、東京都への転入超過傾向は依然として続いており、特に20代から30代を中心とした単身層の流入が目立ちます。賃貸需要の根幹を支える若い世代が集まり続けている事実があります。
国立社会保障・人口問題研究所による「日本の世帯数の将来推計」においても、東京都における単身世帯の割合は今後も拡大していく見込みです。地方圏において人口減少に伴う空室リスクの拡大が懸念される中、需要の途絶えにくい都心部の物件に対して投資資金が集まる構造が強まっています。限られた立地に対する買い手の競合が、東京23区の物件価格を一段と高値へ引き上げる力として作用しています。
〈参考資料〉
健美家『東京23区の区分マンション平均価格が直近1年間の最高値を記録。「収益物件 市場動向マンスリーレポート」2026年7月期』

