人生初の挫折…どん底の就職浪人も、イギリスの大学で博士号に
名古屋大学経済学部の研究助手として2年間勤務した後、1992年4月から私は就職浪人を経験しました。
ちょうどその年から、経済学部系の大学界も就職氷河期に突入して、私の同期7名のうちの6名が就職浪人をするという事態に陥りました。
私自身は、横浜市立大学商学部の公募に応募しただけで、他には何の就職活動もせず、「きっと採用されるだろう」という甘すぎる考えでいたのが、就職浪人に至る原因でした。
私は、大学院の前期課程(修士課程)で1年留年をしていますが、それは学生生活を延長したくて、自主的に選択した留年でしたので、この研究助手2年間の後の就職浪人が、実質的には初めての「人生の挫折」でした。ですから、すごくイヤなことだったのは言うまでもありません。
その1年間は、名古屋大学経済学部で「大学院研究生」という身分になりました。それは要するに、研究者の世界の「就職浪人」という身分です。その1年間は、かなり一生懸命になって就職活動を続けましたが、一向にうまくいきませんでした。ドツボです。
そして、その就職浪人の期間に、日本学術振興会という文科省に属する組織が募集している「PD」という研究者養成コース(任期2年)にも応募したら、それには採用されましたので、研究者としての任期を、あと2年だけ延長することができました。
そして、その日本学術振興会の「PD」の1年目の秋から、イギリスに就職先が見つかり、渡英することになりました。
この渡英では、かけがえのない経験と研鑽を積むことができて、この経験のおかげで帰国して1年後の1997年に、東北大学経済学部に助教授として採用されました。また、それから4年後にはイギリスの大学から博士号(PhD)を授与されました。
あの時期(1993年9月~1996年3月)に渡英して教鞭を執る傍らで、博士号(PhD)のコース(programme)で研究をしたことは、私の人生におけるかけがえのない経験と無形の財産として、今も私の中で燦然と光り輝いています。あのどん底の就職浪人がなければ、渡英もなかったのです。
榊原 正幸
元・大学教授/会計学博士/税理士
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