インフレ経済はいつまで続くのか
経済の先行きに関して正確に予測するのは困難です。しかしながら、ここでは(長きにわたってデフレマインドが染みついてしまった)現代日本の多くの方には馴染みがなくなってしまった「経済の本来の姿」を説明することで、今後の日本経済の方向性のようなものを、原理原則論としてお伝えできるのではないかと思います。
日経平均株価の推移から紐解く「過去のインフレとデフレ」
最初に、第二次世界大戦後からのインフレとデフレの歴史的な経緯を簡潔に概観します。主に、日経平均株価の推移をもってインフレとデフレを峻別します。
まず、1949年5月の東京証券取引所の初立ち合い直後には、まだ戦争の傷跡が残っていて、日経平均株価は始値の176円から85円(1950年7月)へと1年余りで半分に下がっています。そこからは「朝鮮戦争特需」をきっかけにして、日経平均株価は1989年末のバブルの最高値まで上昇の一途を辿っていきます。
その途中の1961年から1967年までは、日経平均株価は横ばい期を経験していますが、戦後から1989年末に日経平均株価が平成バブルの最高値を付けるまでは、紛うことなき「インフレ時代」でした。
日経平均株価は1989年末をピークに下落に転じましたが、不動産価格は1990年末まで上昇を続けました。
1950年7月からここまでの40年間は、ずっと「インフレ時代」だったのです。「マイホーム神話」や「土地神話」が醸成されたのも、根源的な理由は、このインフレにあります。
1989年には、政府と日銀が「バブル潰し」に力を入れ始めました。その理由は多岐に亘りますが、代表的なのは、一般の国民が家を買えないという不満を募らせ、それに対して政府が動いたためです。政策金利は大幅に引き上げられていき、不動産に対する銀行の貸し付けに「総量規制」なるものを導入して、政策的にバブルを抑え込んだのです。ここから長きにわたるデフレ時代に転換しました。

