(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高が続くなか、年金を主な収入として暮らす高齢者にとって、食料品や日用品の値上がりは家計に直接響きます。毎月の支出を抑えているつもりでも、医療費や住宅費など削りにくい費用が重なれば、次の年金支給日を待ちながら食費を切り詰めることもあります。

食費を削る前に、見直すべきこと

美香さんが気になったのは、「あと4日を乗り切ればいい」という父の考え方でした。

 

年金が入れば食料品をまとめて買い、その後は少しずつ使う。しかし支給日が近づくと、また食事を減らす。この繰り返しになっていたからです。

 

「お父さん、貯金を減らしたくないのは分かるけど、食べるものまで減らすのは違うと思う」

 

二人で支出を確認すると、食費以外に見直せるものがありました。

 

ほとんど使っていない固定電話、契約したままの動画配信サービス、補償内容を把握していなかった保険。整理すると、毎月約8,000円を減らせることが分かりました。

 

また、550万円ある預貯金についても、「一円も減らしてはいけないお金」と考えるのをやめました。家電の買い替えや医療費など、老後の生活を支えるために貯めてきたお金でもあるからです。

 

厚生労働省の「高齢者の低栄養予防」では、高齢期の筋肉量を維持するためには、肉や魚、乳製品、大豆製品などからたんぱく質を摂ることが重要とされています。また、1日1~2食に偏らず、3食を規則正しく取ることも勧めています。

 

美香さんは毎月食料品を届けるのではなく、月に一度父と一緒に買い物へ行くことにしました。隆男さん自身も、年金支給日の直前だからという理由で食事を抜かないと決めました。

 

高齢期には、医療や介護、住宅の修繕など、この先いくら必要になるのか分からない不安があります。そのため預貯金を守ろうとするあまり、日々の生活費を必要以上に削ってしまうこともあります。

 

将来に備えるお金と、現在の暮らしに必要なお金を分けて考え、食事や健康まで犠牲にしない家計をつくることが、高齢期の生活を長く維持するうえで重要です。

 

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