「一人暮らし」は不利…住宅コストの実質負担
次に住宅コストに焦点を当ててみます。賃貸住宅の場合、同居人数が多いほど1人当たりの実質的な家賃負担は安くなります。だからこそ、賃貸アパートや賃貸マンションなどの投資用物件には、単身者(1人暮らし)用の物件が多いわけです。
LIFULL HOME'Sの調査によると、2025年時点で平均家賃は以下のようになっています。
シングル向け:11万9,004円(÷1人=1人当たり11万9,004円)
カップル向け:17万9,192円(÷2人=1人当たり8万9,596円)
ファミリー向け:24万7,375円(÷3人=1人当たり8万2,458円)
ファミリーの場合は全員に勤労所得があるとは限りませんが、この考え方は分譲マンションにも当てはまります。つまり単身者用のマンションよりも、カップル向けのマンションを買ったほうが、1人当たりの実質的な負担は安くなると考えられます。
優先すべきは現金…最低6ヵ月分の「生活防衛資金」を確保
サヤカさんのケースは、「貯金無し」「一人暮らし」「社内不倫によるトラブル」が重なり、住宅という視点で見ると最も不利な状況でした。
不測の事態に備えるためにも、住宅ローンの返済額や管理費、固定資産税などの維持費を合わせた「計6ヵ月分」の現金を手元に残しておくことが望ましいでしょう。もちろん、もっと多い金額を貯めておくに越したことはありません。
そして理由はなんであれ、大きく減収した、大きな支出があったなどの場合は、返済を延滞(ジャンプ)する前に、すぐ金融機関へ相談することが重要です。無断で延滞すると、金利の優遇措置が取り消されるおそれもあります。
また、住宅ローンは返済期間を長めに設定し、毎月の返済額を抑えて手元に現金を残すスタンスをおすすめします。繰り上げ返済をする場合も「期間短縮」ではなく「返済額軽減」を選べば、家計やメンタル面での余裕を保ちやすくなります。
住宅ローンには団体信用生命保険(団信)もあるため、手元の現金を確保することを優先して考えましょう。
大泉 稔
1級ファイナンシャルプランナー
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