「そんなのいるわけないよ」ノミの存在を認めない母
「家の中にノミがいるよ」
家族は母に事情を説明しました。家族が刺された足を見せても、母は、不思議そうな表情でこう答えます。
「え~そうなの? 私は刺されてないし、大丈夫じゃない?」と、あまり気にしていない様子でした。
実際には、家族全員がノミに刺され、部屋のなかでもノミの姿を確認しています。それでも母は、「問題が起きている」という認識を持っていませんでした。長年暮らしてきた家。毎日過ごしている環境。少しずつ変化していく生活は、本人にとっては「いつもの日常」になってしまうことがあります。そのため、家族との認識に大きな差が生まれることは決して珍しくありません。
「資産5,000万円」老後資金は十分でも安心できない理由
今回、印象的だったのは、母がお金に困っていたわけではないということです。住宅ローンはなく、年金収入もあり、金融資産も約5,000万円。一般的には、「老後資金は十分に準備できている」と考えられる状況でしょう。
しかし、老後の課題は資産額だけでは測れません。配偶者との死別、一人暮らし、加齢による身体機能や生活習慣の変化。こうした変化は、どれだけ資産があっても自然に起こり得るものです。
老後に本当に必要なのは、「資産」と「見守り」の両方
今回の出来事は、家族が夏休みに帰省したことで初めて気づくことができました。もし誰も訪れていなければ、住環境の変化はさらに進んでいたかもしれません。老後資金を準備することは、とても大切です。しかし、それだけで安心とはいえません。
親の老後を資金面だけでなく生活面からも守るために、帰省時などに家族がチェックしたいポイントは次の5つです。
・住まいの環境に変化はないか
・健康状態や体力に変化はないか
・食事や掃除など、日常生活を無理なく送れているか
・ペットや庭など、身の回りの管理ができているか
・困ったときに頼れる家族や周囲とのつながりがあるか
老後への備えというと、多くの人は「お金」を思い浮かべます。しかし、本当に大切なのは、安心して暮らし続けられる生活環境や、人とのつながりを維持できることではないでしょうか。
高齢の親と会う機会があれば、預貯金の額だけでなく、住まいの様子や日々の暮らしにも目を向けてみてください。その小さな気づきが、大きなトラブルを防ぐきっかけになるかもしれません。
森 逸行
ファイナンシャルトレーナーFP事務所
代表
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【事業投資】8月19日(水)オンライン開催
「信頼と安心」のブランド力を活かした
『ECCの個別指導塾ベストワン』という選択
【事業投資】8月22日(土)オンライン開催
ドバイ発「ダイヤモンド事業投資」の最新事情
原石から製品まで一貫管理の独自スキームを公開
