資産の多寡より「どう生きたいか」の基準が幸せを左右する
ここに1つ、象徴的な話があります。FIRE(経済的自立による早期リタイア)を達成した2人の50代男性の話です。
1人は、働かなくても生活していける十分な資産を持っています。独身で、扶養する家族もいません。頭では「もう大丈夫だ」とわかっています。それでもお金が使えません。
旅行が好きでファーストクラスに乗ってみたいという気持ちはあるのに、贅沢をすることが怖くて節約旅行を続け、働くのもやめられない。50代までずっと節約を重ねてきた生活スタイルを崩すこと自体が怖いのです。「もっと資産を増やさなければ」という思考から抜け出せないまま、お金を増やし続けています。でも、そこに幸せを感じているわけではありません。
もう1人も同じように、堅実に資産を築いた方です。ただ、こちらは会社員時代から「お金が貯まったらタイに移住して自由に暮らす」という目標を持っていました。その目標のために資産運用を続け、達成した後は実際にタイへ移住し、自分らしい毎日を過ごしています。
同じ50代、同じ独身、同じように資産を持っている。しかし一方はお金に縛られ、もう一方はお金を味方にしています。
この違いを生んだのは、資産の額ではありません。まさにお金との関係性の差で、「自分はどう生きたいのか」という基準を持っていたかどうかです。
櫻井 かすみ
ママ金融投資家/ファイナンシャル・プランナー/株式会社トウシナビ 代表
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