争いを回避して話し合い、新たな契約書作成で着地
一郎さんは弁護士と話し合い、争いを回避しながら、安定した形で家賃を回収していく方法を模索しました。
そこで採った方法が「新しい契約書を作成するために交渉する」ことでした。
一郎さんは、まず健介さんと正樹さんを交えて話し合いの場を設けることにしました。
健介さんは、
「店だけは何とか続けたいと思っています。滞納してしまったことは申し訳ありません。少しずつでも必ず返済します」
と率直な思いを伝えました。
一方、正樹さんには、滞納を踏まえた契約の見直しということで説明をしました。
「父も長年保証人を引き受けてきましたし、事情はよく分かっています。きちんとした契約にするのであれば、私も協力します」
正樹さんも納得してくれました。
三者で協議を重ねた結果、健介さんが滞納家賃を分割で返済すること、新たな連帯保証契約を現行法に沿った内容で締結することについて合意が成立しました。
こうして、一郎さんは家賃回収の道筋を立てることができ、健介さんも店舗での営業を続けることができました。
長期の賃貸契約に多い「過去の契約書の踏襲」が引き起こす問題
今回のケースは当事者同士の関係が良好であったからこそ、このような解決ができたともいえます。
もし保証人が協力に応じなかったり、契約内容を巡って支払いを拒んだりしていれば、紛争となり長期化していた可能性も十分考えられます。
個人の不動産資産の管理では、昔からの人間関係を大切にしながら賃貸借契約が長年続いていることが多くあります。その場合、昔の契約書のまま契約を更新したり、以前から用いている契約書を踏襲して契約したりするのを見かけます。
令和2年の民法改正のように、契約書へ新たに盛り込まなければならない大きな変更が生じていることもあります。
保証人の変更や契約の見直しをする場合や、長年使っている契約書がある場合には、一度専門家へ確認してみるとよいでしょう。
原田 大士
横浜パートナー法律事務所 弁護士
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