「配当金で年金を補うはずが…」新NISAで〈米国高配当株〉を買い続けた50代サラリーマン。「取得価格0円」で“強制退場”させられたワケ【CFPが解説】

「配当金で年金を補うはずが…」新NISAで〈米国高配当株〉を買い続けた50代サラリーマン。「取得価格0円」で“強制退場”させられたワケ【CFPが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「老後の公的年金だけでは足りないから、米国高配当株からの配当金で不足分を補おう」と、堅実な発想で資産形成に取り組んでいたサラリーマンのTさん(50代・男性)。しかし、ある日突然、NISAの非課税メリットを失う事態に直面しました。原因は投資判断のミスではなく、証券会社のルールを事前に確認していなかったことにありました。本記事では、50代男性の事例をもとに、新NISAで個別株投資をする際に見落としがちな落とし穴について、CFPの下田幸彦氏が解説します。

【CFPが解説】見落としていた「2つの落とし穴」

今回のケースにおいて、Tさんは新NISAでの個別株投資における「2つの落とし穴」を見落としていたといえます。

 

1. 手数料以外の条件の確認不足

ネット証券の比較記事の多くは、手数料・取扱銘柄数・使いやすさを中心に評価しています。しかし、スピンオフなどのコーポレートアクション発生時の口座の取り扱いについては、ほとんど触れていません。各社の公式FAQを直接確認しなければわからない情報が、実は投資戦略の根幹に関わることがあるのです。

 

2. 新NISAと旧NISAは同じという誤解

2024年から始まった新NISAは、旧NISAとは制度設計が異なります。旧NISAで問題なかった取り扱いが、新NISAでは変わっているケースがあります。「前と同じだろう」という思い込みで確認を怠ってしまったことが原因です。

 

なお、投資信託やETFでは、組み入れ銘柄にスピンオフが起きてもファンド内で処理されるため、今回のような問題は起きません。NISAで個別株投資をする場合にのみ、こうしたリスクが生じる点も覚えておいてください。

 

証券会社は「どこも同じ」ではない…非課税枠を守るための選び方

Tさんの事例から学べるのは、証券会社は「どこも同じ」ではないということです。

 

手数料の安さや使いやすさだけで選ぶのではなく、自分がやりたい投資の方法に対して、その証券会社のルールが合致しているかを事前に確認する。これが、長期投資を守るための「証券会社選びの基準」です。

 

NISAは長期的な資産形成を支える大切な非課税枠です。一度失った非課税の恩恵は取り戻せません。口座を開く前に、あるいは新しい投資を始める前に、その証券会社のルールを自分の目で確認する手間を惜しまないでください。

 

「老後の不安を、自分の力で解消しようとした」Tさんの姿勢は、間違っていませんでした。ただ、道具の選び方を一歩間違えただけで、大切な非課税枠を失うことになってしまったのです。

 

 

下田 幸彦

青い森FP事務所

代表/CFP®

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧