「歓迎されている」という思い込みが隠すもの
良かれと思ってしていた帰省が、実は親の心身と家計を圧迫していた――。その背景には、まず「親の体力的な限界」があります。
厚生労働省の「介護給付費等実態統計月報(2025年)」によると、要支援・要介護者が目に見えて増えてくるのは70代後半から。75~79歳では11.8%、80~84歳では26.7%、85歳以上は60.2%に上ります。介護までいかなくても、70代後半ぐらいになれば、日常の家事だけで手一杯になることも少なくありません。。
そして「経済的な負担」もあります。多くのシニア世代は、公的年金を収入源として暮らしています。総務省「家計調査報告 2025年」を見ると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の可処分所得は月約22.2万円、消費支出は月約26.4万円。平均では毎月不足が生じている計算です。
それでも、子どもや孫が帰省してくれば、ご馳走を奮発したり、お土産を用意したり、お小遣いを渡したりしてしまうのが、親心です。
一方で、孫が大きくなるにつれ、部活や受験、友人関係などでスケジュールを合わせること自体が難しくなっていきます。寂しい部分があっても、これは「準備や金銭的な負担が減る」という、お互いにとってウィンウィンの転換期にもなります。麻衣子さんにも、ちょうどそのタイミングが訪れたのです。

