(※写真はイメージです/PIXTA)

毎年お盆に実家へ帰省する――それは、日本の夏の風物詩ともいえる光景です。帰省ラッシュの時期には新幹線の指定席が争奪戦となり、乗車日の1ヵ月前に始まる発売日を狙って予約する人も少なくありません。しかし、「実家はいつでも迎えてくれる」「顔を見せれば親は喜んでくれる」――そんな子世帯の"当たり前"が、ある日突然覆されることもあるのです。

「歓迎されている」という思い込みが隠すもの

良かれと思ってしていた帰省が、実は親の心身と家計を圧迫していた――。その背景には、まず「親の体力的な限界」があります。


厚生労働省の「介護給付費等実態統計月報(2025年)」によると、要支援・要介護者が目に見えて増えてくるのは70代後半から。75~79歳では11.8%、80~84歳では26.7%、85歳以上は60.2%に上ります。介護までいかなくても、70代後半ぐらいになれば、日常の家事だけで手一杯になることも少なくありません。。

 

そして「経済的な負担」もあります。多くのシニア世代は、公的年金を収入源として暮らしています。総務省「家計調査報告 2025年」を見ると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の可処分所得は月約22.2万円、消費支出は月約26.4万円。平均では毎月不足が生じている計算です。


それでも、子どもや孫が帰省してくれば、ご馳走を奮発したり、お土産を用意したり、お小遣いを渡したりしてしまうのが、親心です。


一方で、孫が大きくなるにつれ、部活や受験、友人関係などでスケジュールを合わせること自体が難しくなっていきます。寂しい部分があっても、これは「準備や金銭的な負担が減る」という、お互いにとってウィンウィンの転換期にもなります。麻衣子さんにも、ちょうどそのタイミングが訪れたのです。

 

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