海外旅行にも行けたのに…110万円の含み損を抱えた「塩漬け株」
最初は数%上昇して有頂天になりましたが、しばらくすると株価は天井を打ち急落します。下げ足は止まらず、ネット上には一転して弱気なニュースが溢れだしました。
「今売るべきか」と迷ううちに、損を確定させるのが嫌で売却タイミングを完全に逃してしまいました。
「マイナスの数字を見るたび胸が締め付けられます。これだけの金額が残っていれば、海外旅行にも行けたし、好きな服も買えたのに……」
購入後にうまく利確できた「小さな利益」もありますが、それを圧倒的に上回る「約110万円の含み損」を抱えた塩漬け株が並んでいます。ユウカさんは、なぜ自分が買うと下がるのか理解できず、精神的に苦しい日々を送っています。
「テーマ株投資」が初心者には難しい3つの理由
ユウカさんの失敗は、初心者が最も陥りやすい典型的なパターンの一つです。まずは、話題のテーマ株を初心者が追いかけるのが難しい理由を解説します。
1.ニュースになるころには「上昇の終盤」
人気テーマ株は、いくら業績好調で将来性があっても「いくらで買ったか」が問題です。SNSやニュースの人気ランキングで一般層が大騒ぎする頃には、プロの機関投資家ははるか下の安い価格で仕込みを終えています。メディアの熱狂に釣られてきた後追いの初心者に、プロや上級者が十分な利益を出して売り抜けるため、結果的に初心者は最も高い天井で「高値掴み」のババを引かされることになりがちです。
2.株価は上昇局面でも、下降局面でも「行き過ぎる」
マーケットには「株価が上昇するときには会社の実力(ファンダメンタルズ)以上に買い上げられ、下落するときには実力以下まで大きく売られがちである」という常識があります。「もっと儲けたい」「損したくない」という群集心理に加え、現在は信用取引・オプション取引やレバレッジ型投信が多数存在し、これらが株価変動の増幅器となります。そのため、人気株の価格は本来の実力値から想像を絶するほど乖離し、上昇時も下降時も常に行き過ぎた暴走を引き起こすのです。
3.小さな利益よりも「巨大な損失」
利益が出ている銘柄もあるが損失が何倍も大きいという状況は、行動経済学の「プロスペクト理論」で説明がつきます。人は利益の喜びより損失の苦痛を約2倍強く感じます。そのため、少し利益が出るとすぐ利益確定の売却をして安心したがり、損失が出ると損を認めたくないため「いつか戻る」と現実逃避して売却せずに塩漬けにします。初心者は特にこの傾向が強く、結果、口座には「すぐに刈り取られた小さな利益」と「雪だるま式に膨らんだ巨大な損失」だけが残るのです。
