同居問題にみる「家族の境界線」…親の資金援助よりも優先すべきもの
高齢期の親の孤立と、子世代の葛藤を浮き彫りにした有志さんの経験。いくら関係性が良好でも、「サポート」と「同居」は別物です。特に嫁(婿)のプライバシーや心理的負担は甚大です。
かつては、「嫁が義理の親の面倒を見るのが当たり前」という時代がありました。とはいえ、「夫の親と同居」が一般的でなくなっていることは、データでも見て取れます。
国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』によれば、「夫の父親と同居」の割合は22.6%(2013年)、10.8%(2018年)、7.7%(2022年)。一方、「夫の母親と同居」の割合は26.0%(2013年)、13.5% (2018年)、10.6%(2022 年)と、どちらも減少傾向です。
有志さんの妻が示した反応は、ごく自然な防衛本能と言えます。もし同居を選択するならば、妻側が精神的に気を遣わずに済む「妻の親(実親)」との同居の方が、トラブルが少ない傾向にあります。
本ケースが泥沼化しなかった最大の要因は、姉が手を挙げたこともそうですが、父親が断られた際に無理強いしなかった点です。親側が感情的に怒ったり、過去の恩を盾に同居を強要したりしていれば、修復不可能なトラブルに発展していたかもしれません。
親の資金援助は魅力的ですが、それによって家族の平和を犠牲にしては本末転倒です。互いの限界や本音を尊重することの大切さを、この事例は教えてくれています。
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