「頼られる喜び」と「限界」の間で出した答え
転機になったのは、孫の運動会の翌週でした。朝から場所取りを手伝い、弁当を運び、下の孫の相手をしながら一日を過ごした和夫さんは、帰宅後に腰の痛みで動けなくなりました。数日たっても痛みが引かず、整形外科を受診すると、医師から「無理はしないように」と言われました。
それでも長男からは、週末の送迎を頼む連絡が来ました。和夫さんはスマートフォンを見つめ、初めてすぐに返信できませんでした。
「断ったら、孫に会えなくなるんじゃないか」
そんな不安もありました。しかし妻に促され、和夫さんは長男夫婦に話すことにしました。
「孫たちはかわいい。でも、毎週末預かるのは体力的にきつくなってきた」
孫に会えるのはうれしいこと、ただ、毎週の送迎や外遊びを当然のように任されると、休む時間がなくなること。食費やガソリン代も重なっていること。長男夫婦は黙って聞いていました。
話し合いの結果、和夫さんが孫を預かるのは月2回を基本にし、送迎が必要な日は事前に相談することになりました。外食や遊びの費用も、長男夫婦が一定額を渡すことにしました。
線引きをしたことで、和夫さんの気持ちは少し軽くなりました。孫に会う日を「また大変だ」と身構えるのではなく、心から楽しみに待てるようになったのです。
体力にも家計にも限りがあり、無理を重ねれば、本来はかけがえのない時間まで負担に変わってしまいます。これからも笑顔で孫と向き合い続けるためには、それぞれが無理なく支え合える距離感を家族で話し合い、共有することが大切なのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

