加給年金終了後も、要件を満たせば「振替加算」が受け取れる
POINT
□「振替加算」は加給年金支給終了後に配偶者自身の老齢基礎年金に引き継がれ、上乗せされるもの
□加給年金の受給者本人が亡くなっても、配偶者は振替加算を一生涯受け取れる
チャ太郎:みなみ先生、加給年金は配偶者が65歳になるまで支給される「家族手当」のようなもの、ということでしたが、65歳を過ぎたらこの年金はなくなってしまうのでしょうか。
みなみ先生:はい、たしかに加給年金は、配偶者が65歳になると支給が終わります。ですが、条件によっては完全に終了というわけではないんです。配偶者が65歳になったときに、今度はその配偶者の年金に「振替加算」が上乗せされるようになります。
チャ太郎:上乗せされる……? 具体的にはどうなりますか?
みなみ先生:例えば夫の年金に加算されていた家族手当のようなお金が、終了のタイミングで妻自身の年金に移動する、というイメージです。
チャ太郎:完全になくなるわけではないんですね。
みなみ先生:ただし、誰でも対象というわけではありません。そもそも振替加算は専業主婦が多かった世代への配慮として設けられた制度です。そのため、現在50代の人たちは対象外になる人が多いと思いますが、知っておいて損はしないので覚えておいてほしいです。
「60歳以上・厚生年金加入期間が20年未満」が対象
みなみ先生:対象者は、1966年4月1日以前の生まれの配偶者で、配偶者自身の厚生年金(共済組合などを含む)の加入期間が240カ月(20年)未満であること。これらを満たす人が対象になります。
チャ太郎:妻は1971年5月生まれの今年55歳なので……。
みなみ先生:残念ながら振替加算の対象外ですね。1966年4月2日以降に生まれた人は、20歳から国民年金に加入する制度が整っている世代です。つまり、すでに自分の年金が確保されているという前提で、この制度は適用されなくなったんです。
チャ太郎:うちは加給年金まではもらえるけど、振替加算はないんですね。
みなみ先生:チャ太郎さんのケースでは、チャ太郎さんが65歳のときに奥さまは62歳です。奥さまが65歳になるまでの約3年間、加給年金は受け取れるのですが、それ以降の振替加算は対象になりません。
チャ太郎:振替加算はいくらくらい加算されるんですか?
みなみ先生:加算される金額は配偶者の生年月日によって変わってきますが、若い世代ほど受け取れる金額が少なくなります。2026年以降65歳を迎える人が加算される額は、年間約1万6000円になります。
チャ太郎:少しでも上乗せがあるのはうれしいですよね。
みなみ先生:たしかに加給年金に比べると少額に感じるかもしれませんね。ですが、一生涯加算され続けますよ。さらに、振替加算は加給年金の受給者本人が亡くなったとしても、配偶者は振替加算を一生受け取ることができる点もポイントです。

