〈登場人物〉

■教わる人……みやおチャ太郎
会社員(58歳)。子どもは独立し、パート勤務の妻と2人暮らし。定年が近づき、「退職金はどう受け取るのがいいのか」「年金だけで暮らせるのか」と気になることが増え、定年前後のお金に詳しいみなみ先生に相談することになった。

■教える人……みなみ先生
年金や定年前後のお金をわかりやすく伝える社労士。人気YouTuberとして専門的な内容をやさしく解説している。「年金だけでは暮らせない」という不安を減らすための考え方として「年金最大化生活」を提唱。チャ太郎さんに、老後を安心して続ける知恵を伝えていく。
40歳からの「介護保険料」負担、65歳以降は急激に重くなる
POINT
□65歳になると、介護保険料は労使折半ではなく全額自己負担になる
□65歳以上の介護保険料は、住んでいる地域と所得によって決まる
□同居の子どもとの世帯分離で介護保険料が安くなることも
みなみ先生:高齢期の生活を支えてくれる介護保険について説明していきます。介護保険は、40歳以上の人が保険料を納め、介護が必要になったときにサービスを受けられる社会保険制度です。65歳以上の人は第1号被保険者、40~64歳の人は第2号被保険者となります。
チャ太郎:そういえば40歳になったら会社の給与から自動的に介護保険料の天引きが始まっていました。まだ元気で介護を受けてもいないし、加入している自覚を持ちにくいですね。
みなみ先生:会社勤めであれば、介護保険料は労使折半。ところが、それは64歳まで。65歳以上になると、たとえ会社勤めを続けていても全額が自己負担となります。介護保険料は、第2号被保険者から第1号被保険者に移行すると、急激に保険料負担が重くなるという大きな落とし穴があるんです。
チャ太郎:えっ! 定年退職して年金生活の人なら、苦しくなってしまいそうです。介護保険料はどうやって決まるのでしょう?
みなみ先生:65歳以上の人が納める介護保険料は、自治体ごとに、本人や世帯の収入に応じて定められています。
チャ太郎:家族の所得も関係してくるんですね。
みなみ先生:ここでポイントとなるのは、住民税非課税世帯であるかどうか。「211万円の壁」をクリアした65歳以上の夫婦なら、住民税非課税世帯となり、介護保険料は抑えられます。
チャ太郎:高齢夫婦だけならいいですが、現役世代の子どもなどが同居していると非課税世帯にはならなそうです。
みなみ先生:まさにその通り。同一世帯内に住民税が課税されている子どもなどがいると、住民税非課税世帯から外れてしまいます。そうすると、受け取る年金額は同じでも、介護保険料は上がってしまうのです。
チャ太郎:どのくらい高くなるのでしょう?
現役世代の子と同居していると、負担額は「約2倍」に
みなみ先生:図表3は、埼玉県さいたま市の第1号被保険者の介護保険料を記載した表です。ここにAさんの例を当てはめてみましょう。
みなみ先生:Aさん夫婦だけで暮らしている場合、夫は第3段階の年間5万2600円、妻は第2段階の3万700円。夫婦合計で8万3300円です。一方、現役世代の子どもが同居している場合だと条件が変わり、夫婦ともに第5段階の7万6800円に。夫婦合計で15万3600円となります。
チャ太郎:2倍近くまで跳ね上がっています!
みなみ先生:このようなケースを避ける方法として検討したいのが「世帯分離」です。



