シニア世代にとって、孫の誕生は大きな喜びの一つです。しかし、成長に伴い増える「孫疲れ」や「孫破産」といった現実的な悩みに、人知れず胸を痛めるシニアは少なくありません。「来なければ楽なのに」――。日々募る負担から、つい口にしてしまった独り言。それが、思いもよらない最悪の形で叶ってしまったとしたら? ある女性の事例から、シニア世代と家族の距離感の難しさを考えていきます。

静まり返ったリビングで激しい後悔

昌子さんを襲ったまさかの事態。それは、息子の女性問題の発覚でした。話し合いの余地もないほどの不貞に嫁の麻友さんの怒りは深く、息子も離婚に同意。2人の子どもの親権は麻友さんが持つことになりました。

 

「離婚の原因が100%うちの息子にありますから、お嫁さんに対して合わせる顔がありません。『孫に会わせてほしい』なんて、とてもじゃないですが言えませんでした……」

 

気づけば、麻友さんは子どもを連れて家を出ており、電話番号もLINEも変わってしまいました。

 

皮肉にも、昌子さんが望んでいた「孫の来ない、静かで経済的にも楽な週末」は、完全な形で実現してしまいました。しかし、静まり返ったリビングで、昌子さんを襲ったのは解放感ではなく、押しつぶされそうな後悔でした。

 

「あんな愚痴を言わなければよかった、麻友ちゃんは私が嘘をついて週末の予定を断ったことに、気づいていたかも。だとしたら、もう連絡はくれませんよね。今はただ『孫との時間を返して』と泣く日々です。失って初めて、あの賑やかな時間が、もう二度と戻らない特別なものだったのだと気づきました」

 

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