灼熱の中、USJでは飲み物すら買えず、空港では手書きの搭乗券…世界中の経済活動が「たった一つのエラー」で停止した、デジタル社会の「脆すぎる裏側」

灼熱の中、USJでは飲み物すら買えず、空港では手書きの搭乗券…世界中の経済活動が「たった一つのエラー」で停止した、デジタル社会の「脆すぎる裏側」
(※写真はイメージです/PIXTA)

かつてインターネットは、国境を越えて世界中の人々が自由に往来する「国境のないサイバー空間」だと信じられていた。しかし四半世紀が過ぎたいま、我々はサイバー空間なしでは仕事も生活も成り立たないほど、深く依存するようになっている。一方で、このサイバー空間は、それを支配する企業の「たった一つのエラー」で世界中の仕組みが止まり得るほど脆い――。本稿では、白畑真氏の著書『デジタルインフラの地政学 インターネット データセンター AI 急所を握るのは誰か』(日経BP)より、サイバー空間の“脆さ”と危険性、そして世界がデジタル依存へ傾いた背景を紐解く。

「デジタル依存」を決定づけたパンデミック

この「見えない大陸」を、誰もが依存せざるを得ない生活基盤へと変えたのが、2020年の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックだ。

 

日本の緊急事態宣言や世界各地のロックダウンによって、私たちの生活と仕事は一気にサイバー空間へ移った。ZoomやTeamsを使った遠隔会議が日常となり、EC(電子商取引)サイトでの購買が途絶えた店頭販売に代わり、行政サービスも教育もリモート環境へと移行した。

 

世界のインターネット基盤は前例のないストレステストにさらされた。2020年3月には通信トラフィックを削減するため、欧州連合(EU)がNetflixやYouTubeに欧州での画質引き下げを要請するに至った。インターネットは、好きなときに訪れる場所ではなく、いや応なく暮らす場所になった。

 

Ciscoがかつて掲げた「働き、暮らし、遊び、学ぶ、そのすべてを変える(Changing the Way We Work, Live, Play and Learn)」というスローガンは実現した。新たな現実として。

 

では、この社会基盤の安定は誰が保証しているのか。海底ケーブルのルートを決定しているのは誰か。その答えは一つではない。国家と企業が、時に協力し、時に対立しながら、インフラの姿を変えている。

 

 

白畑 真

さくらインターネット株式会社

 

 

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※本連載は、白畑 真氏の著書『デジタルインフラの地政学 インターネット データセンター AI 急所を握るのは誰か』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

デジタルインフラの地政学 インターネット データセンター AI 急所を握るのは誰か

デジタルインフラの地政学 インターネット データセンター AI 急所を握るのは誰か

白畑 真

日経BP

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