(※写真はイメージです/PIXTA)

タワーマンションは、多くの人にとって憧れの住まいです。駅に近く、眺望が良く、資産価値も期待できる。共用施設や防犯設備も充実しており、都市部での暮らしを快適にしてくれる存在として人気を集めています。しかし、購入時に見えていたメリットが、住み続けるうちに負担へと変わることもあります。住宅選びでは、「無理なく暮らし続けられるかどうか」も重要なのです。

見えてきた現実…「資産価値」よりも大きかった毎月の負担

入居から5年が経った頃、夫婦は改めて家計を見直しました。

 

そこで初めて気付いたのは、住宅に関する支出総額の大きさでした。住宅ローンだけではありません。管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税を合計すると、年間ではかなりの金額になります。

 

もちろん、その対価として快適な住環境を得ています。それでも夫婦の気持ちは少しずつ変わっていました。

 

子どもが成長したことで、以前ほど共用施設を利用しなくなったのです。ラウンジもほとんど使わない。ゲストルームを予約する機会も少ない。最初は魅力だった設備が、今では「維持費のかかる設備」に見えることもありました。

 

ある休日、将来の教育費について話し合っていたときです。

 

「大学進学を考えると、まだまだお金がかかるね」

 

そう話した美咲さんに対し、健一さんは思わず本音を漏らしました。

 

「タワマンなんて買わなければよかったかもしれない」

 

決して今すぐ家計が破綻するわけではありません。住宅ローンの返済も続けられます。

 

しかし、その言葉には「もっと身の丈に合った選択があったのではないか」という後悔が込められていました。

 

住宅金融支援機構『住宅ローン利用者の実態調査』によると、住宅購入後に家計の負担感を抱く世帯は約3割にのぼります。特に共働きを前提とした返済計画の場合、転職や病気、教育費増加などの変化によって余裕が失われることがあります。

 

その後、夫婦は住み替えも検討しました。しかし購入時より価格は上がっているものの、仲介手数料や諸費用、次の住居費まで考えると簡単には決断できません。

 

結局、今は住み続けながら支出を見直す選択をしています。

 

「住んでみて分かったのは、買うときのワクワクと、住み続ける現実は別だということでした」

 

タワーマンションは魅力的な住まいです。資産価値が維持される可能性もありますし、利便性や快適性も高いでしょう。しかし住宅は購入して終わりではありません。管理費や修繕積立金、教育費、将来のライフプランまで含めて考えなければ、本当の負担は見えてきません。

 

 

 

 

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