「理想の暮らしだと思った」…世帯年収1,400万円夫婦の決断
健一さん(仮名・46歳)と妻の美咲さん(仮名・43歳)は、都内で共働きを続ける夫婦です。会社員同士の共働きで、世帯年収は約1,400万円。子どもは小学生が一人います。
数年前、夫婦は駅近のタワーマンションを購入しました。当時は低金利が続いており、「家賃を払い続けるより資産になる家を買ったほうがいい」と考えたのです。
購入した部屋は高層階でした。夜景が見えるリビング、ホテルのようなエントランス、ラウンジやゲストルームなどの共用施設。初めて部屋からの景色を見たとき、夫婦は本気で「理想の暮らしを手に入れた」と感じていました。
住宅ローンの返済額も、当時の収入であれば十分に対応できる範囲でした。子どもの教育費が増えても問題ないだろう。そう考えていたのです。
ところが入居後、家計は少しずつ変化していきます。
最初に気になったのは管理費と修繕積立金でした。購入時にも説明は受けていましたが、実際に毎月支払い続けると想像以上に重く感じられます。さらに数年後には修繕積立金の増額も決まりました。
国土交通省『マンション総合調査』では、築年数の経過に伴い修繕積立金が増額されるケースが少なくないことが示されています。特に大規模な共用設備を持つマンションでは、維持管理費が高額になることもあります。
それでも夫婦は当初、大きな問題とは考えていませんでした。
しかし、その頃から教育費も増え始めます。子どもの塾代、習い事、学校関連費用が積み重なり、住宅ローン以外の固定費も想定以上に膨らんでいきました。
さらに追い打ちをかけたのが物価上昇です。食費や光熱費は以前より高くなり、共働きであるにもかかわらず、思ったほど貯蓄が増えなくなりました。
