元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」
(※写真はイメージです/PIXTA)

「年金生活・都営住宅在住」と聞くと、少ない収入のなかで苦しい生活を強いられていると想像する人も多いだろう。だが、先を見据えた選択と徹底した倹約によって、しっかりと貯蓄を築いている人もいる。29歳で結婚後にシングルマザーとなり、70歳まで働き続けた野坂さん(仮名)は、多額の貯蓄がある今もなお、倹約生活を続けているという――。ルポライター・増田明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より、年金生活者の“生活のリアル”を追う。

「息子の思いやり」が心の支えも、もらったお小遣いはお年玉に

「70歳になって得なことは、医療費の窓口負担が3割から2割になったことですね。特に歯科は高いでしょ、1割違うのは大きいのよ。今のところ大きな病気を抱えているわけじゃないし生活習慣病もないから医療機関とはあまりお付き合いがない。けど、周りの人は72歳過ぎるとあちこち不具合が出ると言ってるから医療費の負担は小さい方がいい」

 

親が苦労していた姿を見ているので息子は優しい。ほぼ毎月のように立ち寄ってくれるので何かと相談できるのはありがたい。

 

「食費のことなんですけど、1か月2万5000円ぐらいでやっていると話したら、『母さん、何を食べているんだ』と心配してくれて、缶詰、パックのご飯、野菜ジュースなどを差し入れてくれてね。食べるのに困っているわけじゃないから大丈夫だと言ってるんですが、今月はカップ麺を1ケース持ってきた」

 

たまにお小遣いをくれることがあるが、もったいなくて使えない。封筒に入れておいて、お正月に孫がきたときにお年玉として返している。

 

「これから孫にお金がかかるようになる。上の女の子は来年に小学校に上がるからランドセルか学習机をプレゼントしてあげたいし、11月には2人目が生まれるので女の子だったらひな人形を、男の子だったら五月人形を買ってあげたい。おばあちゃんはシブチンなんて思われたくないもの」

 

近所付き合いにもお金は必要。地域のお祭りでは寄付を頼まれることがあるし、年末になると歳末助け合い運動で募金を集めに来る。

 

「どれも任意で払いたくなければ払わなくても問題ないけど、200円、300円を拒否したら陰で何と言われるか分からない。団地暮らしだとこういうことって面倒なのよ」

 

 

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※本連載は、増田 明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本記事はノンフィクションルポルタージュであり、登場する人物のストーリーには脚色を加えていませんが、プライバシー保護の観点から氏名は仮名としてあります。

今日、年金暮らしになった

今日、年金暮らしになった

増田 明利

彩図社

人生100年時代といわれる現代。本当の年金生活を知るのは怖いかもしれないが、知っておいた方がよいし、そのためには当事者の声を聞くのが一番。このような思いで年金生活者の方々の声を集めてみた。 そこで実感したのが高…

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