29歳でトラック運転手と結婚も、夫のギャンブルが原因で離婚
野坂さんは高校卒業後に金属加工会社に就職、工場の庶務や資材管理の事務職として働いていた。結婚したのは29歳のとき、相手は2歳年上でトラックの運転手だった。結婚後は専業主婦になったが、夫がギャンブルに入れ揚げるようになってしまい家庭崩壊。子どもを連れて離婚したという過去がある。
「競馬で大穴を当てたのが良くなかったのね。今で言うギャンブル依存症みたいになって、仕事を無断で休む、あちこちのサラ金で借金する、自分の親を騙してお金をせびる……。こんな塩梅でしたね。元の夫のことですか? 泥棒して刑務所に入ったことまでは知っているけど、その後のことは分からない。自分の親兄弟からも絶縁されたという話を聞いた記憶はあるけど、とっくの昔に他人になりましたからね。もう死んでるんじゃないかしら」
離婚に際して慰謝料や財産分与などは一切なし。子どもの養育費さえ払ってくれなかったそうだ。
離婚後は地域スーパーで働き、家計を立て直す
離婚後は祖父のツテで地域型の食品・雑貨スーパーに入社。都内東部と千葉県にあるいくつかの店舗で接客販売やバックヤードでの事務処理を担当していた。
「60歳まで約25年働きましたね。会社は中退共(中小企業退職金共済制度)に加入していたので退職金が出たし、定年後も惣菜調理部門の嘱託で5年間働かせてくれたので感謝しています。店長さんや職長さんには本当に良くしてもらったわよ」
将来の年金がそれほど多くないのは分かっていたので、残業や休日出勤を頼まれれば嫌な顔をせずこなして収入を増やす。ボーナスの8割は貯金。無駄遣いはしないでひたすら蓄えを作ってきた。
「年金は東京都の生活保護費より低い額なんです。だけど蓄えから2万円ぐらい補填できるので生活が立ち行かないということはない。家賃の安い都営住宅に入れたので助かった。家賃が5万円以上だったらやっていくのが大変ですよ」

