元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」
(※写真はイメージです/PIXTA)

「年金生活・都営住宅在住」と聞くと、少ない収入のなかで苦しい生活を強いられていると想像する人も多いだろう。だが、先を見据えた選択と徹底した倹約によって、しっかりと貯蓄を築いている人もいる。29歳で結婚後にシングルマザーとなり、70歳まで働き続けた野坂さん(仮名)は、多額の貯蓄がある今もなお、倹約生活を続けているという――。ルポライター・増田明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より、年金生活者の“生活のリアル”を追う。

29歳でトラック運転手と結婚も、夫のギャンブルが原因で離婚

野坂さんは高校卒業後に金属加工会社に就職、工場の庶務や資材管理の事務職として働いていた。結婚したのは29歳のとき、相手は2歳年上でトラックの運転手だった。結婚後は専業主婦になったが、夫がギャンブルに入れ揚げるようになってしまい家庭崩壊。子どもを連れて離婚したという過去がある。

 

「競馬で大穴を当てたのが良くなかったのね。今で言うギャンブル依存症みたいになって、仕事を無断で休む、あちこちのサラ金で借金する、自分の親を騙してお金をせびる……。こんな塩梅でしたね。元の夫のことですか? 泥棒して刑務所に入ったことまでは知っているけど、その後のことは分からない。自分の親兄弟からも絶縁されたという話を聞いた記憶はあるけど、とっくの昔に他人になりましたからね。もう死んでるんじゃないかしら」

 

離婚に際して慰謝料や財産分与などは一切なし。子どもの養育費さえ払ってくれなかったそうだ。

離婚後は地域スーパーで働き、家計を立て直す

離婚後は祖父のツテで地域型の食品・雑貨スーパーに入社。都内東部と千葉県にあるいくつかの店舗で接客販売やバックヤードでの事務処理を担当していた。

 

「60歳まで約25年働きましたね。会社は中退共(中小企業退職金共済制度)に加入していたので退職金が出たし、定年後も惣菜調理部門の嘱託で5年間働かせてくれたので感謝しています。店長さんや職長さんには本当に良くしてもらったわよ」

 

将来の年金がそれほど多くないのは分かっていたので、残業や休日出勤を頼まれれば嫌な顔をせずこなして収入を増やす。ボーナスの8割は貯金。無駄遣いはしないでひたすら蓄えを作ってきた。

 

「年金は東京都の生活保護費より低い額なんです。だけど蓄えから2万円ぐらい補填できるので生活が立ち行かないということはない。家賃の安い都営住宅に入れたので助かった。家賃が5万円以上だったらやっていくのが大変ですよ」

 

 

次ページ70歳から完全な年金生活に

※本連載は、増田 明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本記事はノンフィクションルポルタージュであり、登場する人物のストーリーには脚色を加えていませんが、プライバシー保護の観点から氏名は仮名としてあります。

今日、年金暮らしになった

今日、年金暮らしになった

増田 明利

彩図社

人生100年時代といわれる現代。本当の年金生活を知るのは怖いかもしれないが、知っておいた方がよいし、そのためには当事者の声を聞くのが一番。このような思いで年金生活者の方々の声を集めてみた。 そこで実感したのが高…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧