元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」
(※写真はイメージです/PIXTA)

「年金生活・都営住宅在住」と聞くと、少ない収入のなかで苦しい生活を強いられていると想像する人も多いだろう。だが、先を見据えた選択と徹底した倹約によって、しっかりと貯蓄を築いている人もいる。29歳で結婚後にシングルマザーとなり、70歳まで働き続けた野坂さん(仮名)は、多額の貯蓄がある今もなお、倹約生活を続けているという――。ルポライター・増田明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より、年金生活者の“生活のリアル”を追う。

いくら安くてもあれは嫌…頭を抱えた「政府備蓄米」

月々の固定費は家賃、水道光熱費、固定電話代、NHKの受信料、国民健康保険の保険料など一切合切で6万3000~4000円。残る7万円と少しで1か月の生活を賄っている。

 

「食料品の高騰が止まらないのが悩みの種です。お米は少し下がったけど2年前と比べるとほぼ2倍。前は5kg2200円ぐらいだったのに、今は4800円。驚きだわ、主食がこんなに高い国って他にあるのかしら? 馬鹿な大臣がお米を買ったことはないなんて言ってたでしょ、あれには怒り心頭でしたよ」

 

1時間並んで放出された政府備蓄米を買ったが、何となく色が違った感じがして、炊き上がってもやや硬くてあまり美味しくはなかった。いくら安くてもあれは嫌だったので、最近は台湾産のお米を食べているが、思っていた以上に美味しい。

 

「政府備蓄米よりはるかに美味しいですよ。炊き上がりはふっくらしているし食感もいい、アメリカ産のお米も食べてみたけど上だと思うわ。でも前よりお米を食べなくなりましたよ。お餅、麺類、パンなどを食べることが多くなった」

 

お米以外のあれもこれも高くなっている。前は1枚98円だった塩サバが158円に、納豆3個パックは88円から118円に。カップ麺、レトルト食品、乳製品も小刻みな値上げが数回あって、4年ぐらい前と比べると3割近く値上がりしている。

 

「買い物はよく考えないと駄目ですね。団地の近くに大型のショッピングセンターがあるのですが、ここで食料品や衣類を買うことはない。テナントで入っている100円ショップとかカットハウスに入るぐらいです、理由は高いから。玉ねぎ1個が88円なんて馬鹿じゃないのと思う。もっと安いスーパーや八百屋はいくらでもあるもの」

 

1か月の食費は概ね2万5000円ぐらいでやり繰りしている。「この金額で買える食料品の量は明らかに少なくなっている。だから豚肉はロースの切り身から小間切れにするとか、ひき肉は大容量パックを買って小分けにするとか。お魚は安いイワシとかアジばかりね」

 

コンビニで買い物するなんてもってのほか。外食もほとんどしない。以前は月に2、3回行っていたてんや、デニーズ、ガストなどは、年金が振り込まれた直後の週末と少し余りそうな月末だけで我慢している。

 

 

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※本連載は、増田 明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本記事はノンフィクションルポルタージュであり、登場する人物のストーリーには脚色を加えていませんが、プライバシー保護の観点から氏名は仮名としてあります。

今日、年金暮らしになった

今日、年金暮らしになった

増田 明利

彩図社

人生100年時代といわれる現代。本当の年金生活を知るのは怖いかもしれないが、知っておいた方がよいし、そのためには当事者の声を聞くのが一番。このような思いで年金生活者の方々の声を集めてみた。 そこで実感したのが高…

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