参加者ゼロ、わずか数秒で閉会…修繕積立金「月1.3万円値上げ」がマンションオーナーの知らないところで粛々と決まる、恐るべきカラクリ【マンション管理コンサルタントが警鐘】

参加者ゼロ、わずか数秒で閉会…修繕積立金「月1.3万円値上げ」がマンションオーナーの知らないところで粛々と決まる、恐るべきカラクリ【マンション管理コンサルタントが警鐘】
(※写真はイメージです/PIXTA)

資産形成を目的に、会社員の傍らワンルームマンションに投資する「サラリーマン大家」が増えています。こうしたマンションオーナーのなかには、最近自宅に「修繕積立金の値上げ通知」が届いて驚いたという人もいるでしょう。物価高騰などの背景から「受け入れるしかない」と思いがちですが、いったん立ち止まって考える必要があります。なぜなら、この値上げは、悪質な管理会社によって議論なく決定されている可能性があるからです。本記事では、HABANERO代表のマンション管理コンサルタント・幅祐斗氏が、40代サラリーマン大家の事例をとおして、投資用マンションの総会の実態と対策について解説します。※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

わずか数秒で終了…投資用マンションの総会の実態

では、管理者管理のマンションの総会はどんな雰囲気で行われているのでしょうか。結論からいうと、「議論など、1秒たりとも行われていない」のが現実です。

 

筆者の経験上、総会への参加者はほぼゼロです。会場には管理会社の担当者が一人座っているだけで、開始時刻と同時に「誰も来ないため、全議案承認で閉会します」と宣言され、実質数秒で終了するケースも珍しくありません。あとは担当者が淡々と議事録を作るだけ、というのが実態です。

 

本来、総会とは「理事長」の提案に対して、区分所有者が「この工事は本当に必要なのか?」「金額は適正か?」と質問を投げかける場です。しかし投資用マンションでは、管理者である管理会社が「自分たちで計画を作り、自分たちで承認している」状態。議論など成立するはずがありません。

 

管理会社から送られてくる総会資料のなかには、議決権を行使するための「回答書」や「委任状」が同封されています。オーナーの方々がそこに署名して返送した回答は、彼らにとっては「あなたの預金から、いくらでも工事費を引き出していいですよ」という許可証として扱われているのです。

 

6,000棟もの総会資料を見てきた筆者ですが、そのなかで高額な工事の議案が反対多数で否決されたケースなど、ほぼ見たことがありません。実に9割以上の議案が、内容を深く吟味されることなく「賛成」のまま素通りして可決されているのが現実です。一番恐ろしいと感じるのは、この「実質的に誰も中身を精査しないまま、高額な工事だけが粛々と決まっていく」構造そのものなのです。

 

この状況を放置しては、大事な資産が理由もなく溶けていってしまいます。

泣き寝入りは厳禁…資産を守るために確認したい3つのポイント

では、管理会社の“ATM”にならないために、私たちはどうすればいいのでしょうか。重要なのは、「送られてきた総会書類に、なんとなく賛成しない」ことです。値上げの議案が届いたら、以下の3点を確認してください。

 

1.現場の確認:現場の写真や状況確認もなしに、工事が議案化されていないか?

2.工事の必要性:「まだ壊れていないのに全交換する」といった、不必要な工事が混ざっていないか?

3.見積もりの根拠:1社だけの見積もりで決まっていないか?

 

実は、管理会社のなかには「現場も見ずに、計画表上の時期が来たから」という理由だけで、不必要な工事を平気で押しつけて稼ごうとする会社も存在します。

 

マンションの修繕積立金が適正かどうかは、総会資料のなかにある「修繕積立金会計」と「過去の工事履歴」を照らし合わせるだけで、プロの目線なら一瞬で判断できます。

 

その値上げが「必要な未来への投資」なのか、それとも「管理会社の利益のための搾取」なのか判断に迷った際には、専門家に相談のうえ慎重に判断することをおすすめします。

 

 

幅 祐斗

HABANERO代表

マンション管理コンサルタント

宅地建物取引士

 

 

 

 

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※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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