「月1.3万円の値上げ」…サラリーマン大家を襲った“予想外”
「このままじゃ、生活が終わってしまいます……」
愛知県在住のKさん(仮名/40代)から震える声で電話がかかってきたときのことは、いまでも忘れることができません。
かつて、筆者がワンルームマンションの販売を担当していたときのこと。会社員のKさんは、「将来の年金代わりに」と、ワンルームマンションを所有していました。しかし、ある日届いた「修繕積立金改定のお知らせ」を見て、言葉を失ったそうです。なんと、月額1万3,000円もの大幅な値上げが宣告されていたのです。
毎月の家賃収入とローン返済、管理費等の支払いで、Kさんの収支はもともとギリギリでした。そこにこの1万3,000円の追加出費です。将来のためにと信じて買った資産が一瞬にして家計を圧迫し、Kさんは困り果てていました。
「どうしてこんなに急に値上げが決まったんですかね?」
電話口でそう泣きつくKさんに、筆者は原因を追及すべく、資料を取り寄せて調査を開始しました。
調査で明らかになった修繕積立金値上げの「真相」
実は、投資用マンションの約半分は、管理会社が管理組合のトップである「理事長」を兼任しています。これを「管理者管理(第三者管理)」と呼びます。Kさんのマンションも、この管理者管理の物件でした。
本来、理事長は住人が務めるものですが、投資用物件には住人がいないため、管理会社が自動的にそのポジションを独占します。つまり彼らは、「工事を注文する人」でありながら「工事を受ける人」でもあるという、非常に都合のいい立場にいるのです。
彼らは「長期修繕計画」という名の工事が並んだ“メニュー表”を盾に、オーナーの家計への配慮など一切なく、自分たちの利益を最大化できる高額な工事を次々と決定していきます。
筆者のもとに相談に訪れるオーナーの多くが、「そういえば、送られてきた書類に『賛成』のチェックを入れて送り返したかもしれない……」とおっしゃいます。
しかし、これは決してオーナーが悪いわけではありません。管理会社が非常に複雑でわかりにくい書類を送りつけ、オーナーの「忙しい日常」や「専門知識がなくて当然」という状況を逆手に取っているからです。


