(※写真はイメージです/PIXTA)

家計は妻に任せ、自分は限られたお小遣いでやりくり。自作のおにぎりでランチ代を切り詰め、「真面目にやっていれば、安泰な老後が来るはず」と踏ん張っている会社員も多いのではないでしょうか。ところが、そんな“献身”の末に迎えるはずの「アガリ」を目前にして、すべてが崩壊することも。見ていきましょう。

泥沼の応酬「私に興味なかったでしょ」

「なんで一言も相談しなかったんだ」と怒りで震える誠さんに返ってきたのは、謝罪ではなく、積年の恨みがこもった反撃でした。

 

「相談?  あなたはいつも『任せる』って、家計を見ようとしなかった。私がどんな思いで毎日過ごしているか、一度でも気にした? 何一つ興味を持たなかったあなたに、私を責める資格なんてないわ」


「俺は稼いで、少ない小遣いでやってきた。家計を守るのがお前の仕事だったはずだ、俺のせいにするな!」

 

お互いが、“お前のせいで人生が壊れた”と主張し合うリビング。泥沼の応酬でした。

最後の希望は残されているが…「心の亀裂」の行方

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、二人以上世帯・60代の平均貯金額は2,026万円、中央値は700万円です。一方、誠さん夫婦の貯金はわずか150万円。このままでは、老後破綻は目に見えています。

 

しかし、二人には最後の希望が残されていました。「都内のマイホーム」です。すでにローンは完済。この家を売却すれば、まとまった現金が手に入るはずです。住み慣れた家を失いますが、金銭的な破綻だけは回避できる道は残されていました。

 

しかし、激しくののしり合った末にできた心の亀裂を、どこまで修復できるかは、まだわかりません。

 

「これからどうするか、ちゃんと話をしよう」

 

そう声をかけると、美紀さんは小さく頷きました。二人が残された家という資産を手に、もう一度本当の夫婦に戻れるのか。話し合いは始まったばかりです。

 

誠さん夫婦のように、妻(夫)が家計の手綱を握り、夫(妻)は毎月決まったお小遣いでやりくりするというスタイルは、昔からある家計管理方法の1つです。しかし、「片方に任せっきり」にしてしまうことが、取り返しのつかない状況を生むこともあり得ます。

 

相手を信頼していても、定期的な資産状況の共有は欠かさないこと。家にお金を運ぶことだけで役割を果たしたと思い込み、財布の紐と一緒に「家族への関心」まで丸投げしてしまっていないか。時々見つめ直す必要があるのかもしれません。

 

 

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