利息を支払い続けるリスク…「残クレ」の正体
最近、「残クレ住宅ローン(残価設定型住宅ローン)」という言葉をよく耳にするようになりました。車の購入では、この残クレ(残価設定型ローン)という言葉はすでにおなじみとなっています。
残クレ住宅ローンの話をする前に、自動車の購入などでよくみられる残クレについて確認しておきましょう。
残クレが世に出てきた理由は、高額なものを安価に見せて消費者の購買意欲を高めるためです。ローンで購入する場合は月々の返済額を低く見せれば、商品価格が下がったように錯覚するため、買いやすくなります。
残クレでは数年後の商品価値をあらかじめ決めて残価とし、この残価を差し引いた部分だけを支払います。支払いが終わった時点で、残価で商品を引き取ってもらうため、返却が前提となります。
車を短期間で新車に乗り換えたいという希望がある方にとっては有効といえます。しかし、車に長く乗りたいという方の場合はどうなるでしょうか。残価を現金一括で清算できない場合には、一定期間の支払いが終わったあと、残価部分をローンにしていかなければなりません。
残クレでは、支払い期間において残価も含めた総額に対して利息を支払うことになります。この期間が終わったあと、残価部分をローンにするのであれば、そこから先さらにローンとしての支払いが始まるため、ここからも利息を支払い続ける必要があります。
つまり、非常に大きな利息を払わなければならなくなる可能性があるということです。長く乗りたいという方にとっては、長期間でローンを組んだだけの話になってしまい、メリットがない方法ということになります。
住宅における残クレの仕組み
この残クレの仕組みを住宅に応用した場合、どうなるでしょうか。住宅購入における残クレは、次のような構造になります。
まず、住宅購入時から残価設定の期間(年数)を決めますが、これが10年後なのか、20年後なのか、30年後なのかは契約によります。車の残価設定と大きく違う点は、数年で下取りをするという前提での残価設定ではないことです。
家に住んでいる方が一生住み続ける可能性があるという前提での残価設定となるため、住宅における残価は「リバースモーゲージ」による評価額であり、リバースモーゲージに残価を除いた部分の住宅ローンを上乗せしたものが住宅購入における残価設定型住宅ローンです。
住み替えや買い替えを前提としていない住宅の場合には、ベースとなる残価設定の部分がリバースモーゲージになってしまいます。リバースモーゲージは、一生涯利息を払い続けることになります。亡くなるまで一生利息を払い続けるということは、当たり前ですが長生きすること自体がこの支払いにおける負担になります。
さらに、この残価部分が大きくなればなるほど住宅ローンで返す部分は少なくなりますが、それはリバースモーゲージとしてずっと生きている間払い続ける利息が大きくなってしまうという意味でもあります。
