こんなはずじゃ…5年前に「5,800万円のマイホーム」を〈変動金利〉で買った世帯月収35万円・30代夫婦、返済額「月13.7万円→18.5万円」に絶望【CFPが解説】

こんなはずじゃ…5年前に「5,800万円のマイホーム」を〈変動金利〉で買った世帯月収35万円・30代夫婦、返済額「月13.7万円→18.5万円」に絶望【CFPが解説】

日銀の利上げに伴い、長らく続いた低金利時代が終わりを迎えつつあります。そんななか、焦りを感じているのが数年前に「変動金利」で住宅ローンを組んだ人たちです。「固定金利は損」「変動金利一択」というネット上の風潮や営業マンの言葉を信じ、ギリギリの資金計画でマイホームを購入した結果、金利上昇によって家計が立ち行かなくなるケースが急増しています。5,800万円の住宅ローンを組んだ33歳男性の事例をもとに、CFPの市川貴博氏が解説します。

「今の家賃と変わりませんよ」28歳で夢のマイホームを購入

「こんなはずじゃなかったのにな……」

 

会社員のAさん(33歳・男性)は、住宅ローンの新しい返済予定表を見つめながらため息をつきました。現在、値上がりした住宅ローンを必死に払い続ける生活を送るAさんですが、5年前、28歳で住宅を購入した際には、将来このような不安を抱えるとは思ってもいませんでした。

 

当時のAさんは、妻と幼い子ども1人の3人家族。一戸建てでのびのびと子育てをしたいと考え、マイホーム探しを始めたところ、住宅会社の営業担当者からこう提案されました。

 

「今は超低金利ですから、月々の返済は13.7万円程度です。現在お住まいの賃貸とあまり変わりませんよ」

 

その言葉を信じ、今が住宅購入のチャンスだと思い夢のマイホームを手に入れたAさん。しかし振り返ると、住宅購入で最も重要な部分に、ほとんど時間をかけていなかったのです。

土地探しには半年、住宅ローン選びは数時間

住宅購入のきっかけは、SNSで見かけたモデルハウスの紹介でした。見学に行ってみると、開放感のあるリビングや使いやすそうな家事動線、高断熱の快適な住環境に耐震等級3の安心な住まいに、「こんな家に住みたい」と一目で気に入りました。

 

その後、住宅会社の担当者とともに土地探しを開始し、通勤時間、学区、周辺環境、日当たりなど、あらゆる条件を比較検討しました。土地探しだけで半年近くを費やし、建物の間取りや設備についても何度も打ち合わせを重ねたそうです。

 

しかし、資金計画について真剣に検討した時間は僅かでした。総額5,800万円を頭金なしの全額ローンで借り入れる計画にもかかわらず、その借入先選びは驚くほど短時間で終わってしまったのです。

次ページ2021年時点では「変動金利一択」の空気だった

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