定年後の人間関係――AIという「新たな話し相手」
内閣府「令和5年度高齢社会対策総合調査」を見ると、65歳以上の男女に実施した「親しくしている友人・仲間をどの程度持っていると感じるか」という問いの結果は、「たくさんいる(7.8%)、「普通にいる(39.0%)」、「ほとんどいない(36.0%)」となりました。
「普通にいる」が最も多い割合を占める一方、「ほとんどいない」もそれに迫る数字です。ただ、これは男女両方を含めたデータですから、「孤独なのは男性だけ」と言い切れるものではありません。
しかし、ISSP「社会的ネットワークと社会的資源2017」によれば、友達が1人もいない割合は、男性で50代37%、60代36%、70代以上53%。女性は、それぞれ9%、19%、27%。少し古い調査データではありますが、友達がいないのは圧倒的に男性が多いことを示しています。
実際、仕事中心で生きてきた男性ほど、退職後に居場所を失いやすい傾向があると言われています。長年つきあってきた同僚でも、会社を辞めた後は共通の会話がなくなり、自然と関係が途絶えてしまうこともめずらしくありません。
一方で女性は、生活や趣味を通して、すでに長い友人関係を持っているケースが少なくない。その結果、「夫は話したい」「妻はそれを求めていない」という温度差が生まれてしまうわけです。
こうした場面で、孤独を和らげる存在になり得るのが「AI」。ここ数年の爆発的な進化で、対話型AIを日常的に利用する高齢者も増え始めています。
AIはユーザーの意見を完全否定せず、話を遮らず、何時間でも付き合ってくれます。便利なツールであり、孤独を感じる人にとって非常に心地よい存在になり得ます。一方で、AIの回答を「絶対的に正しいもの」として受け止めてしまう危うさがあるのも、事実です。
人間関係には、面倒くささもあります。気を遣い、話が噛み合わず、ときには疲れる。それでも、誰かと同じ場所で笑ったり悔しがったりする時間には、AIにはない温度があります。
AIが身近になり、孤独を和らげる時代。「人とつながる場所」の大切さは、むしろ増していくのかもしれません。
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