米大統領選の翌日に底値を打ち、そこから反転上昇
さて、2015年6月に天井をつけ、同8月から調整トレンド=相場の休みに入った株価は、いつ反転する(した)のでしょうか。
ここでも日柄を大事にします。
相場が上昇トレンドから調整に入った場合、過去の経験則から休みの期間は3か月、あるいは6か月が意識されます。これは多くのプロの共通認識ですから、実際に相場がそのように動くことはよくあります。「小回り3か月」が調整期間の1単位と覚えておいてもいいでしょう。ただし、調整期間がもっと長引いた場合は12~13か月が反転を意識する日柄と言われています。
アベノミクス相場の上昇第1波は2013年初めにスタートして2015年の6月に天井をつけました。そして2016年は年初から下落調整局面が10か月以上です。休養(日柄)は十分です。そこに11月8日のトランプ大統領誕生です。私は11月9日の日経平均株価の安値1万6111円で当面の底打ち、そこから反転上昇が始まったと判断しています。
米国では債券売りの株買いという流れが続く
一般的に、金利が上がれば株価は下がります。資金調達コストが上がると同時に、国債をはじめとした債券の利回りが良くなりますから、投資家は株式投資を控えて債券などへシフトを進めるのです。アメリカが利上げ、日本が緩和拡大となれば、当然、為替は円安ドル高に振れ、日本の株価は上昇すると考えられます。しかし、これにも例外があります。今回の相場では、トランプ登場でウォールストリートに「アメリカの景気は良くなる。インフレになる」という期待が出ていますから、適度なインフレなら歓迎され、多少金利が上がっても、債券売りの株買いという流れは変わらないのです。その場合、日米ともに株高になります。
実際、すでにアメリカの長期金利は上昇しています。米国債は暴落(利回りは上昇)、ダウ工業株30種平均株価は歴史的な新高値を更新して1万9000ドル台をつけました。2017年の早い時期にも夢の2万ドルを目指す動きになっています。