最初の波は、2017年の春先から年央に天井を迎える
今の相場は、ほぼ一本調子の3年波動のあと、1年あまりの踊り場を経て始まった上昇トレンドです。これが業績相場ならば、少なくとも2~3年は株の上昇トレンドがやってくるはずです。
最初の波は、おそらく2017年の春先(4~5月)から年央に天井を迎えると思います。2016年後半に始まった波動であるなら、9か月もしくは12か月くらいは勢いがもつと思いますが、そこでいったんピークアウトする可能性が十分あると見ておくべきです。これが1番天井かもしれません。
アベノミクス相場の上昇第1波は2015年6月に天井をつけてQE2相場、異次元の金融相場が終了。そして2016年11月9日の安値1万6111円を出発点として上昇第2波がスタートしています。今の政治状況を考えると、安倍首相の健康問題が深刻にならない限り、おそらく安倍政権は3期9年に延長され、2021年9月まで続くでしょう。つまり、2020年の東京オリンピックに向かって株価が長期サイクルで上がり続けるというシナリオが有力です。
そして、オリンピック・バブル相場は2019年末頃に天井をつけるのではないかと予測できます。
ここから3年くらいの相場は、2017~2018年頃に1番天井、そして安倍政権のフィナーレを飾る2番天井、つまりオリンピック・バブルを織り込んだ最後の天井があると予測します。
アノマリーによれば2020年がバブルの頂点の可能性も
さらに、念のため頭に入れておいてもらいたいのが「年号のアノマリー」です。アノマリーとは経験則という意味で、本書(『世界マナーが狙う「大化け日本株」』小学館)の第1章でも述べたように、理論や理由はきちんと説明できなくても、確かに同じパターンを繰り返してきた相場の経験則というものがあります。ベテラン投資家たちはそうしたアノマリーを知っていますから、それが心理的な節目になることもあるでしょう。
年号のアノマリーというのは、西暦の末尾の数字がその年の相場を予言するというものです。ジンクスと言えばそれまでですが、市場関係者の頭の隅にそういう知識が入っていると、現実に相場がそこに向かって動いていくこともあるから要注意です。
例えば、今回の波動の最後のピークと予測している2019年は「末尾9」の年で、この年は大きなパラダイム・シフトが起きるとされています。1989年にバブル経済が終わったことはその象徴です。同じ年には東西冷戦が終結しました。10年後の1999年は通貨「ユーロ」が導入された年ですし、2009年は自民党政権が倒れて民主党が歴史的な政権交代を成し遂げ、いずれも株式市場に大きな影響を与えました。
「末尾1」の年は天変地異や戦争など、人命に関わる重大事件が起きるから警戒せよ、と言われます。2001年のアメリカ同時多発テロ、2011年の東日本大震災などがこのパターンです。1991年にはアメリカのイラク空爆で湾岸戦争が起きました。
それらと並んで有名な年号アノマリーが「末尾0」の年で、相場では「バブルが天井を打つ」とされています。日本のバブル崩壊は1989年とされていますが、株価は1989年の最終取引日に史上最高値をつけていますから、「バブルの天井」は1989年と1990年のちょうど境目だったことになります。続く2000年はITバブルがピークをつけた年です。2010年は日本では株価低迷期の真っただ中でしたが、世界市場に目を向けると、あれだけ熱狂したドバイ・バブルが終わった年でした。この年の1月に世界一の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」がオープンし、バブルの絶頂に沸きましたが、すでに前年には政府系持株会社が債務不履行に陥るなど、バブル崩壊は確実に進んでおり、ついに「ドバイ・ショック」を招いたのです。
つまり、波動理論で言うと2019年が最後の天井ですが、アノマリーで言えば、バブルのピークが2020年になる可能性もあるということです。