年齢とともに「お金の価値」は変わる
同じ10万円でも、年齢によってその価値は大きく異なります。これは収入の多寡の話ではなく、お金を活かせる「時間の長さ」の違いによるものです。若い頃の10万円は、投資に回せば長い時間をかけて大きなお金に育つ可能性があります。複利の力は、時間が長いほど大きく働きますから、若い人ほど投資に有利であることは間違いありません。
しかし同時に、若い頃の10万円には、もう一つ別の価値があります。それは、その時期にしかできない経験に使えるという価値です。
若い頃のお金は、「その時期にしかできない経験」に使うほど価値が高まる
人生には、年齢を重ねてもできることと、そうでないことがあります。体力、好奇心、失敗を恐れない気持ち、時間の自由度。これらは、多くの場合、若い時期のほうが豊かです。若い頃の旅、挑戦、人との出会い、夢中になった時間。それらはあとからお金を積んでも、同じ形では手に入りません。
もし若い頃に「すべてを将来のお金のため」と我慢し続けたとしたら、あとで振り返ったときに、「もっといろいろ経験しておけばよかった」という思いが残るかもしれません。
経験は、金融資産のように運用利回りで表せません。しかし価値は確実に積み上がっていきます。それは視野を広げ、価値観をつくり、人とのつながりを生み、結果として人生の選択肢を増やしてくれます。
若い頃の経験は、その後の人生に長く影響します。たとえば、海外を旅した経験が仕事観や人生観を変える、趣味に打ち込んだ時間が人間関係や仕事につながる、失敗や遠回りが後の判断力を支える、などです。こうしたものは、一度きりで終わる消費ではなく、時間とともに価値が増していく「経験資産」です。
金融資産が複利で増えるように、経験もまた、人生の中で複利のように効いてきます。しかも、若い時期に得た経験ほど、その効果が続く期間は長くなります。

