不要な調査に150万円、宅配ボックスは故障放置…「3年間巡回ゼロ」の管理会社に主導権を握られたマンションの〈ガバナンス不全〉【マンション管理士が解説】

不要な調査に150万円、宅配ボックスは故障放置…「3年間巡回ゼロ」の管理会社に主導権を握られたマンションの〈ガバナンス不全〉【マンション管理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション管理の現場では、管理会社への過度な依存による「ガバナンス不全」が問題化しています。築13年の分譲マンションで理事長に就任したAさんは、150万円の目視調査や、担当者による「3年間巡回ゼロ」といった管理会社の不適切な対応に直面しました。なぜ管理会社の主導や業務の形骸化は起きてしまうのか。マンションの統治構造の空洞化を防ぎ、住民が主体性を取り戻すためのプロセスを、マンション管理士の松本洋氏が解説します。

理事会の無関心が生む「統治構造の空洞化」

Aさんのマンションで起きた事例は、担当者個人の問題ではありません。全国のマンションで共通する構造的なガバナンス不全が背景にあります。

 

管理会社が情報優位に立ち、理事会が検証できない状態に陥っているケースは少なくありません。そこへ理事会の無関心が重なり、管理会社が実質的な意思決定者となってしまうのです。さらに、管理員不足が常態化して品質管理が形骸化したり、議事録案作成など本来補助的な業務が“主導”に転化したりする事例も発生しています。

 

これらは、管理組合が本来持つべき統治機能が空洞化し、管理会社依存が固定化する典型例です。

マンションの未来を決めるのは住民自身

日本のマンション管理業界では人材不足が深刻化しており、担当者が一人で15~20物件を抱える例も珍しくありません。しかし、担当者から見れば「1/20」でも、住民から見れば管理会社は「1/1」です。

 

だからこそ必要なのは、管理組合のガバナンス強化や情報の透明化、住民参加の仕組みづくり、管理会社の業務品質の可視化などです。

 

マンションの未来を決めるのは管理会社ではなく、そこに暮らす住民自身です。今回の事例は、住民が主体性を取り戻すことで、管理会社依存の構造を変えられることを示しました。

 

 

松本 洋

松本マンション管理士事務所代表

 

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