資産5,000万円、年収540万円――数字だけ見れば、42歳会社員のBさんは堅実な人生を歩んでいるように映ります。しかし、実家暮らしのBさんは、大型連休になると決まって“ある場所”へ向かいます。そこには、資産額では埋められない、ある切実な事情がありました。

実家暮らし自体は「当たり前」の選択肢だが…

物価高が続き、家賃負担も重いいま、実家暮らしは珍しい選択ではありません。むしろ、合理的な面もあります。

 

Bさんも、実家にいることで資産5,000万円を築きました。客観的に見れば、お金の不安はかなり小さいといえます。しかし、Bさんにとっては、まだ十分ではありません。

 

「一人暮らししたほうが気楽。そのためのお金も十分ある。ですが、一度増えた資産を減らしたくなくて。家を買うなら、まだ足りないですし……まだ踏ん切りがつかないんです」

 

貯めることに慣れすぎて、使って環境を変える決断ができない――それが一番の問題だと、Bさん自身も分かっていました。

 

実際、内閣府の「満足度・生活の質に関する調査」では、所得や資産にゆとりのある層ほど生活満足度が高い傾向が見られます。経済的な安心感は、暮らしの満足度を支える大きな要素であることは確かです。

 

その一方で、人間関係や居場所、将来への納得感といった、お金では測れない要素も満足度に大きく関わります。Bさんが感じている息苦しさは、まさにそうした部分にあるのかもしれません。

 

大型連休のたびに「自分は異質」と思わされる環境にいるのも、楽ではありません。
実家にいるメリットと、そこに居続ける息苦しさ。その間で、Bさんはいまも答えを出せずにいます。

 

 

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