「伝統的な資産」として位置づけられている債券ですが、債券への投資でどのようにして利益を得るのでしょうか。本記事では『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』から一部を抜粋し、「債券投資」の仕組みと特徴について平易に解説します。

 ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

 

伝統的な資産…債券投資

■債券とは

債券は国や企業、地方自治体等が資金を調達することを目的に、投資家から一定の額を借り入れるために発行するものです。「この期日までに、この額を返します」と記された借金の証書のようなものです。現在は電子帳簿で管理されており、満期に達したときに債券に記載されている金額が支払われる仕組みになっています。[図表1]のように、実際は債券の発行体に代わって、発行市場に参加する証券会社が債券の発行を行います。

 

出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
[図表1]債券の発行 出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋

 

■債券投資で利益を得る方法

発行体が発行する債券を購入することで、資金提供を行い、約束の期日になると元金と併せて利金が支払われることで利益を得るのが債券投資です[図表2]。

 

出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
[図表2]株式の仕組みとメリット(利益) 出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋

 

さらに、発行体が債券を投資家に売ることで得た資金で事業を行い発展すれば、債券の価格は上昇します。購入額よりも価格が上昇したタイミングで売却をすれば、上昇した分の額の利益が得られます。ですが債券を売却すれば、もちろん元金と利金が支払われる権利も売却先に移行します。それらを考慮したうえで、いくらまで価格が高騰すれば売却せずに債券を保持した場合よりも利益が出るかを考慮する必要があります。

 

また、株式の特徴と同じように、企業努力が必ずしも債券の価格に反映されるわけではありません。また、発行体の業績が上向きになった場合も同じで、債券価格に反映されるわけではありません。なぜなら業績が上向きになった場合には、借り入れた資金を投資家に返していくからです。

 

■債券投資のメリット

債券投資は購入時に支払った額(元金)と購入時に示された利金が、支払われることが保証されているのがメリットです。発行体が倒産したり、支払い能力がなくなったりしない限りは支払われます。こうした特徴から、債券投資は株式投資よりも確実性が高いといえます。

 

■発行先の業績には連動しない債券価格

発行先の業績がアップをしても、手持ちの債券価格が上昇しない理由は、発行先が債券の返済に追われるからだけではありません。

 

債券価格は下落する場合と上昇する場合があります。

 

たとえば、[図表3]に記載されているクーポンとは、発行価格に対する利率のことです。償還価格とは、債券の満期に支払われる金額のことで、発行価格に相当します。たとえば発行価格が100円でクーポンが5%の債券の場合、年間5円の利息が加えられた105円が、期日を迎えたときに投資家に支払われます。

 

出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
[図表3]債券価格の変動 出所:『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』(ゴールドオンライン新書)より抜粋

 

左の図(A)と右の図(B)が示す、2つの債券が販売されているとします。Aはクーポンが年5%で発行価格も100、償還価格も100という債券です。Bはクーポンが年7%で発行価格、償還価格ともにAと同じ100という債券です。AとBの違いはクーポンの割合だけになります。どちらの価値が高いかというのはお分かりかと思います。もし発行体の信用力が変わらないのであれば、発行価格が同じ金額の場合、利率が高いBのほうが、期日を迎えて投資家に支払われる額は当然高くなります。

 

もし誰もが迷わずBを購入するなら、AとBは同じ時期に売られることはないはずですが、A、Bが同じ時期に売買されることは理論上あり得ます。なぜなら発行体の信用力が高ければ、利率が低くても購入する人がいるからです。

 

前述のとおり、債券投資は発行体が倒産したり、支払い能力を失ったりしたら償還されることはなく、投資家は購入金額(元本)をそのまま失うことになります。発行体に信用があり、償還されないリスクが低いと判断されれば「5%の金利でもAを購入しよう」と考える人が出てきます。Bの発行体に信用がなければ、「7%くらいクーポンもらわないとリスクに見合わない」ということになり、A、Bが市場で同時に存在するという状況が生まれます。

 

もう一つ、債券価格に変動をもたらすのは、市場の金利水準です。たとえば市場の金利が上昇したことにより、同じ発行体、あるいは同じような信用力のある発行体のA、Bが売買されるようになります。そうなると当然、投資家たちはBの7%のクーポンがついた債券を購入するでしょう。そうなればAの5%のクーポンがついた債券の需要が下がり、価格は下落します。一方で市場の金利が低下する、もしくは発行体の信用状況が改善すれば、Bの7%のクーポンがついた債券の価格は上昇します。こうした仕組みが債券価格の変動をもたらします。

 

※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、現在の市場環境とは異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

【ゴールドオンライン新書】

『富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書』

 

資産が暴落したら、 あなたは「耐えてやり過ごす」だけ?
ITバブル崩壊、リーマンショック、パンデミック…。25年の間の金融危機で覆えされた「株式と債券の逆相関性」という投資の常識。これからの時代、古典的なポートフォリオの手法では、大切な資産を守り切れない。いますぐ、資産防衛戦略をアップデートせよ!絶賛発売中

 

 

 

長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者
国際金融ストラテジスト <在香港>
京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

 

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【短期償却】5月9日(土)オンライン開催

《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法

 

【相続×資産運用】5月13日(水)オンライン開催

《富裕層向け》
後悔しないための「相続対策・資産運用」戦略

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧