建築コストや土地価格が高騰する都心一等地。この過酷な市場で生き残れるのは、最新設備を詰め込んだ家ではなく、時間とともに価値が深まる「情緒的価値」を備えた不動産であると著者は語ります。本記事では、柳澤寿志子氏の著書『富裕層を魅了する 東京一等地不動産』(星野書房)より一部を抜粋・再編集して、富裕層が興味を示す「経年によって魅力を増す不動産の条件」を解説します。
“新品”がピークではない…経年によって価値が深まる「ジャパン・ラグジュアリー」な不動産
ジャパン・ラグジュアリーを不動産の視点で考えたとき、完成した瞬間がピークとなる建物ではなく、「時間を重ねるほどに魅力が増していく建物」であることが重要だとわたしは考えています。
わたしが関わっている不動産会社では、10年以上前から物件ごとにデザインを変えながら、経年によって価値が深まる素材を選び続けてきました。たとえば床材には、できる限り本物の木を使用しています。厚みのある一枚板や、きちんとした無垢フローリングです。
近年は技術の進歩によって、表面だけが木の質感に見えるシート材も一般的に使われていますが、長い時間の中で風合いが育っていくのは、やはり本物の素材に限られます。
床だけではありません。大理石やレンガといった石材、漆喰など、手間と時間を要する素材も、積極的に取り入れています。このような素材は、使い込まれるほどに表情を変え、空間に奥行きと重みをもたらします。
新品のときだけ美しい建物ではなく、住む人の時間が重なり、その痕跡さえも価値として蓄積されていく建物。暮らしそのものが空間を育て、年月がその価値を裏付けていく。
日本の神社仏閣のように、時間が経っても美しく佇む姿は日本のラグジュアリーにふさわしい不動産のあり方だと感じています。
不動産コンサルタント
20代の頃から東京一等地にて富裕層向けのサービス業に従事。その後、港区六本木にて富裕層をメイン顧客とするフラワーショップを開業する。「豪華に見え高粗利、心から喜ばれること」を理念に、富裕層向けサービスを実店舗とネット通販にて展開。
45歳からは最適な業者と顧客をつなぐ不動産業に転向。不動産コンサルタントとして超富裕層や富裕層に求められる東京一等地に特化した物件を扱う。
近年は、海外富裕層向けには投資物件として、地方の法人向けには節税対策として、さらに不動産業者に対しても、東京一等地の不動産をメインに紹介。超富裕層や富裕層が好む「ラグジュアリーで、価値が上がり続ける不動産」を提案することで、お一人おひとりのライフステージをさらに高い質へと昇華させるコンサルティング、コーディネートすることを得意としている。
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連載富裕層が東京不動産に熱視線を送るワケ…「一等地」の条件を不動産コンサルタントが解説