「500万円返せよ!」消費者金融で借金までした男の悲痛な叫び
「ノブオさんには特別にもっと大きな利益を出せる独自ルートを教えます。今が最大のチャンスです」
そう煽られたノブオさんは、貯金の400万円を指定された口座へと送金を繰り返しました。アプリの画面上では見る見る資産が増えていき、1,000万円の利益が出ているように表示されていました。
すっかり洗脳状態に陥ったノブオさんは、「もっと投資すればもっと儲かる」という思考から抜け出せなくなり、ついに消費者金融で借り入れてまで、追加で100万円をつぎ込んでしまいました。
しかし、いざ利益を引き出そうとしたとき、事態は急変しました。
「取引所のセキュリティシステムにより、マネーロンダリングの疑いであなたのアカウントが凍結されました。解除するためには、資産の保証金(デポジット)としてさらに200万円を即時送金してください。送金がない場合、資産はすべて没収されます」
突然の警告文にパニックになったノブオさん。どうにかしてほしいとメッセージを送った直後、相手のアカウントは完全に消滅。
手元に残ったのは、引き出すことのできない偽のアプリ画面と、消費者金融への多額の借金だけでした。
「嘘だろ……。頼む、500万円返せよ! 来月からどうやって生きていけばいいんだ……」
SNS型投資詐欺の実態…「成功体験」で疑いを晴らす手口
警察庁が公表した「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」の最新データから、ノブオさんが騙されたような投資詐欺の実態が浮かび上がってきます。
令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺全体の被害額は1,827.0億円という深刻な水準に達しています。
ノブオさんの事例のように、犯行グループは最初の段階であえて被害者に少額の利益を還元します。この「成功体験」を一度味わわせることで被害者の疑念を払拭し、信頼関係を築き上げるのです。これを繰り返すことで心理的なコントロール(洗脳状態)を完成させ、消費者金融からの借り入れを含めた限界までの資金を奪い取ります。
画面上の数字が増えていく裏で、実生活の資金が海外の犯罪組織へと吸い上げられているのが、SNS型投資詐欺の手口です。
警察庁は、著名人を騙る不自然な投資広告(未認証アカウントの使用や、動画の口の動きと声が合わない)への警戒を強く呼びかけています。特に、「必ず儲かる」といった甘い言葉で誘い込み、連絡手段として個別のトークへ誘導する手口が被害の9割以上を占めているため、こうした誘導は詐欺を疑う最大のサインです。
SNS上で知り合った相手から投資を勧められ、現金の振込や送金を求められた場合は、決して一人で判断せず、直ちに家族や警察に相談してください。
[参考資料]
警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」
