(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が成人した子を支え続ける構図は、珍しい話ではなくなっています。80代の親と50代の子が困窮や孤立を抱える、いわゆる「8050問題」は長く指摘されてきました。内閣府『生活状況に関する調査(令和4年)』では、40~64歳のひきこもり状態にある人は全国で約61万人と推計され、厚生労働省の生活困窮者自立支援制度でも、就労や家計、住まいを含めた包括的な支援が用意されています。問題は、親の体力も資金も先に尽きやすいことです。

積み上がる生活費と削られる老後資金…「限界」に直面した日

総務省統計局『家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要』によると、65歳以上の単身無職世帯の可処分所得は11万8465円、消費支出は14万8445円。高齢単身世帯はもともと収支に余裕があるとは言いにくく、そこに同居家族の生活費負担が重なれば、家計が急速に傷むのは不自然ではありません。

 

「私は年金が17万円あるから、世間から見れば“まだ大丈夫”なのかもしれません。でも、3人で暮らせば全然足りません。足りない分を貯金から出して、また次の月も出して……。ずっとそれの繰り返しでした」

 

ある日、美智子さんは通帳の残高を見て、しばらく動けなくなりました。夫が残してくれたお金が、思っていた以上の速さで減っていたのです。

 

「自分の葬儀代くらいは残せると思っていたのに、それも怪しくなってきた。何より、この先、私が倒れたらこの子たちはどうするのかと思ったら、急に怖くなりました」

 

その夜、夕食の席で美智子さんは初めて言いました。

 

「もう、これ以上は支えられないよ」

 

長男は黙ったまま、箸を置きました。次男は「今さら何だよ」と顔をしかめました。

 

それでも美智子さんは、言葉を続けるしかありませんでした。

 

「私はもう81歳なの。あなたたちの母親ではあるけど、ずっと面倒を見続けることはできないの」

 

話し合いは、すぐに前向きには進みませんでした。

 

「働けと言われても、今さら無理だ」

「外に出るのがしんどい」

「こんな年で仕事なんかない」

 

息子たちから返ってきたのは、そんな言葉ばかりでした。もっと早く向き合うべきだったのではないか。甘やかしてきた自分にも責任があるのではないか。美智子さんは何度もそう考えたといいます。

 

内閣府『令和7年版 高齢社会白書』によると、65歳以上の者のいる世帯のうち20.2%が「親と未婚の子のみの世帯」です。こうした世帯構成自体は決して珍しいものではなく、親が高齢になっても子どもと同居を続けるケースは一定数存在しています。

 

ただし、その中で子どもが就労していない場合、家計や生活の負担が親に偏りやすく、問題が表面化しにくいまま長期化する傾向も指摘されています。

 

 \4月14日(火)ライブ配信/
 「名義預金」判定のポイント 

指摘率トップの理由とは
相続税の税務調査の実態と対処方法

次ページ相談を機に見えた“現実的な出口”
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧