もう連絡してこないで…82歳母を介護する51歳専業主婦、“不仲じゃなかった”東京住まいの妹に「涙の絶縁宣言」の裏側

もう連絡してこないで…82歳母を介護する51歳専業主婦、“不仲じゃなかった”東京住まいの妹に「涙の絶縁宣言」の裏側

「近くに住んでいるから」「専業主婦だから」――そんな理由で、親の介護を一身に背負わされる人は少なくありません。認知症の母を支えるうち、東京で暮らす妹との関係が壊れていった51歳女性。介護が家族に突きつける“見えない不公平”の実態を追います。

82歳母の介護を担う51歳専業主婦…積み重なる「不平等感」

「お姉ちゃん、お母さんの面倒お願いね。私もできるだけ行くようにするから」

 

妹に最初にそう言われたとき、良子さん(仮名・51歳)は、仕方がないと思ったといいます。82歳の母に認知症の症状が出始めたのは、1年ほど前。要介護2と認定され、身の回りのことはまだ一部自分でできるものの、少しずつ症状は進行していました。

 

良子さんは地元で夫と高校生・中学生の子どもと暮らしている一方、3歳下の妹・真理さん(仮名)は東京で一人暮らし。大手企業で働いています。

 

実家まで車で30分ほどの距離に住んでいる良子さんは、母の元へ通い、病院へ連れて行き、買い物をし、食事を整える。認知症の母は同じ話を何度も繰り返し、父も疲弊気味。しかも父は、これまで母に任せきりだったため家事がほとんどできません。

 

介護は、母一人の問題ではありません。自分の家庭を回しながら、もう一つの家庭も支える。そんな生活が続いていったのです。

 

そのストレスに拍車をかけたのが、真理さんの態度でした。「自分も面倒を見にいく」といいながら、結局実家に来たのは一度きり。良子さんが母の様子をLINEしても、既読がつくのに3~4日かかるような状態でした。

 

また、金銭的な不公平感も増していました。両親の年金は合わせて月24万円ほど。貯金も1,500万円弱ありますが、介護用品や食費、生活用品などにかかったお金を「精算したい」といちいちいうのも憚られました。結局、良子さんが立て替えることも多く、家計の負担を感じるように。

「だって暇でしょ?」…無神経なひと言に涙

決定的だったのは、ある日の電話。 疲れ切っていた良子さんに、真理さんは何気ない口調でこう言いました。

 

「お姉ちゃんが専業主婦でよかった。だって暇でしょ?」

 

その瞬間、良子さんの中で何かが切れました。

 

「暇じゃない。自分の生活を全部削ってる」
「本当は、お母さんのことはどうでもいいんでしょう」
「勝手に生きて。もう連絡してこないで」

 

言いながら、涙が止まらなかったといいます。

 

「母のことは大切です。できる限り面倒を見たいとも思っています。でも、専業主婦だから、家が近いから、それだけで、私ばかりが当たり前のように背負わなきゃいけないのでしょうか。妹は仕事を理由に、自由に生きているように見えてしまう。こんなふうに思ってしまう自分にも疲れました」

 

きょうだい仲は悪くなかったのに――。そう振り返る良子さん。しかし、介護をきっかけに関係は大きく変わってしまいました。

 

そして最近では、別の感情も芽生え始めています。

 

「将来、親の遺産を妹と半分ずつ分けることになったら、私は納得できるのかなって、そんなことも考えてしまいます」

 

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