今回は、不動産業者に定期借家契約を了承させる「物件力」の重要性について見ていきます。※本連載は、株式会社リーシングジャパン代表取締役、沖野元氏、不動産コンサルタント、林浩一氏の共著『賃貸の新しい夜明け』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、定期借家契約のメリットと定期借家契約を実際に活用する際のポイントを紹介します。
すぐに成約する物件なら、不動産業者も納得
定期借家契約を導入しようとするときに不動産業者が「イエス」と言わざるを得ない状況を作ることが重要です。要するに不動産業者が「この物件なら定期借家契約にしても決まるだろう」と思わせるだけの「物件力」が大事だということなのです。
繰り返しますが、普通借家契約でも定期借家契約でもお客様が気に入る物件で、すぐに成約になる物件であれば、不動産業者も定期借家契約での契約に重い腰を上げるのにやぶさかではないということになります。
その「物件力」の元は「企画力」です。企画とは、どのような立地にどのような物件を建てるか、または買うか、ターゲットをどこにもってくるか、そのためにどのような間取りにするか、内装にするかといったものになります。その企画が成功すると非常に客付けがしやすい物件となります。それが「物件力」です。
客付けに苦労する物件では契約の導入は難しい
逆に企画が失敗した物件は、客付けに苦労します。新築時はまだ良いとしても、その後は空室のたびに埋めるのが大変になります。
このような物件力のない物件では、大家さんが定期借家契約を導入したいと希望したとしても、不動産業者は否定的にならざるを得ないでしょう。
このように物件力の有無が定期借家契約導入に際して影響することは、覚えておいてください。自分の物件の物件力がないと思ったら、定期借家契約を導入する前にまずはその物件力を上げることを行いましょうということです。
株式会社リーシングジャパン
代表取締役
広島県出身。日本大学経済学部卒。教育産業、貿易業等に従事した後、大手不動産会社入社。その後、渋谷の不動産会社へ転職。平成21年、株式会社リーシングジャパン設立と同時に代表取締役に就任。賃貸・売買仲介、中古物件再生事業、管理を中心に、客付けに特化したリーシングコンサルタントとしても活動。また、一般財団法人日本不動産コミュニティ(J‐REC)の監修する不動産実務検定の人気講師として、これまでに多数の受講生を輩出。平成26年7月よりJ‐REC東京第2支部の支部長を務める。講演・執筆多数。
著者プロフィール詳細
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連載不動産オーナーとして知っておきたい「定期借家契約」のメリット
賃貸UP‐DATE実行委員会 代表
不動産コンサルタント
昭和35年、神奈川県横浜市生まれ。高校卒業後アメリカ・ロサンゼルス Pacific States University留学~獨協大学中退。長年、海外旅行業界の仕事に従事し、主に東南アジアの都市や当時まだ馴染みの薄かったタイのサムイ島・フィリピンのセブ島。ボラカイ島などへのツアーを大手ホールセラーと共同企画。多くのヒット商品を出す。また、ダイヤモンドホテルのフロント業務なども経験する。
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