今回は、不動産業者に定期借家契約を了承させる「物件力」の重要性について見ていきます。※本連載は、株式会社リーシングジャパン代表取締役、沖野元氏、不動産コンサルタント、林浩一氏の共著『賃貸の新しい夜明け』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、定期借家契約のメリットと定期借家契約を実際に活用する際のポイントを紹介します。

すぐに成約する物件なら、不動産業者も納得

定期借家契約を導入しようとするときに不動産業者が「イエス」と言わざるを得ない状況を作ることが重要です。要するに不動産業者が「この物件なら定期借家契約にしても決まるだろう」と思わせるだけの「物件力」が大事だということなのです。

 

繰り返しますが、普通借家契約でも定期借家契約でもお客様が気に入る物件で、すぐに成約になる物件であれば、不動産業者も定期借家契約での契約に重い腰を上げるのにやぶさかではないということになります。

 

その「物件力」の元は「企画力」です。企画とは、どのような立地にどのような物件を建てるか、または買うか、ターゲットをどこにもってくるか、そのためにどのような間取りにするか、内装にするかといったものになります。その企画が成功すると非常に客付けがしやすい物件となります。それが「物件力」です。

 

客付けに苦労する物件では契約の導入は難しい

逆に企画が失敗した物件は、客付けに苦労します。新築時はまだ良いとしても、その後は空室のたびに埋めるのが大変になります。

 

このような物件力のない物件では、大家さんが定期借家契約を導入したいと希望したとしても、不動産業者は否定的にならざるを得ないでしょう。

 

このように物件力の有無が定期借家契約導入に際して影響することは、覚えておいてください。自分の物件の物件力がないと思ったら、定期借家契約を導入する前にまずはその物件力を上げることを行いましょうということです。

 

※定期借家契約をすればすべてが良くなるわけではない。
 ベースとなるのは「物件力」。
※定期借家契約をすればすべてが良くなるわけではない。  ベースとなるのは「物件力」。

本連載は、2015年8月刊行の書籍『賃貸の新しい夜明け』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

賃貸の新しい夜明け

賃貸の新しい夜明け

沖野 元,林 浩一

週刊住宅新聞社

長らく旧態依然としていたこの不動産業界にも、大きな波が来ています。人々のライフスタイルの変化による波が、住まい方の変化にも及んできています。 こうした時代の変化に、不動産業者も大家さんもついていくしかありません…

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