「私は行きたくない」妻が語った本音
「あなたの地元でしょう。私には縁もゆかりもない場所よ。冬は雪がすごいし、車がないと生活できないでしょ。スーパーも病院も遠くて、友達もいないのよ。あんな田舎で毎日どう過ごすの?」
Bさんにとっては懐かしい故郷でも、妻にとっては愛着のない土地。 その感覚の違いを、Bさんはほとんど意識していませんでした。
「だって今まで反対しなかったじゃないか」
そう言うと、妻は少し呆れたように答えました。
「あなたが夢みたいに話してるから、否定しなかっただけよ。本気だと思ってなかった」
Bさんは初めて、夫婦がまったく違う老後を思い描いていたことに気づいたのです。
それでも夢は諦められない
とはいえ、Bさんにとって地元での暮らしは長年の夢でした。「このまま東京で人生を終えていいのか」――そう思うと、諦めきれません。
最終的に、夫婦の間で浮上したのは「別居婚」という選択でした。Bさんは地元に戻り、妻は東京に残る。月に一度くらい行き来する形です。
しかし、この形にも課題は少なくありません。生活費が二重にかかること、どちらかが体調を崩したときにすぐ駆けつけられないこと。高齢になるほど、距離のある生活は負担になる可能性があります。
それでもBさんは「後悔はしたくない。どうしたものか」と悩んでいるといいます。
