大相撲春場所、東関脇・霧島が14場所ぶり3度目の優勝
大相撲令和8年(2026年)春場所は東大関・安青錦の綱取りが注目されていましたが、7勝8敗と初の負け越しに終わってしまいました。優勝したのは東関脇・霧島。14場所ぶり3度目の優勝を果たしました。
14日目に、「勝てば優勝」の1敗の霧島以下、3敗で追う東の横綱・豊昇龍、西前頭5枚目琴勝峰の3人全員が敗れて優勝が決まるという異例の展開。霧島は三賞の殊勲賞を受賞しています。
霧島は、23年春場所に東関脇で、12勝3敗で初優勝しました(当時のしこ名は霧馬山)。23年夏場所後の大関昇進を機に当時の師匠・陸奥親方(元大関・霧島)からしこ名を引き継いでいます。西の大関だった23年九州場所では13勝2敗で2度目の優勝を果たしたものの、24年春場所、夏場所と連続負け越しで大関陥落しました。首のけがが原因だったようです。
春場所14日目に、勝てば優勝が決まるはずだった霧島は、安青錦に敗れて12勝2敗に。しかし、2差で追っていた琴勝峰が先に敗れ、霧島戦の直後に豊昇龍も西の大関・琴桜に敗れています。優勝を争う3人がいずれも負けて優勝が決まるという珍現象です。霧島は千秋楽で琴桜に敗れ、最後を白星で飾れず12勝3敗の優勝になりました。
優勝を争う力士が全員敗れ優勝が決まったのは、44年前の1982年名古屋場所以来です。このときは13日目を終え、1敗の東の横綱千代の富士を3敗の西の横綱2代目若乃花が追う展開でした。14日目に千代の富士が東の大関・隆の里に敗れましたが、直後の結びで若乃花が西の大関琴風に敗れたため、千代の富士の6回目の優勝が決まりました。
霧島は大関再昇進へ…50年で3人目、異例の快挙
日本相撲協会審判部は、関脇・霧島の大関昇進を諮る臨時理事会の招集を、八角理事長に要請し、了承されました。臨時理事会の開催が決まれば、3月25日の番付編成会議と臨時理事会を経て、正式に「大関・霧島」が誕生します。これまでに臨時理事会を開き、大関昇進を見送られた例はありません。
現行のカド番制度となった1969年名古屋場所以降で、大関経験者が大関陥落直後に関脇で10勝以上して大関に復帰したケースを除き、大関に再昇進するのは、1977年初場所後の魁傑(後に日本相撲協会放駒理事長)、2021年春場所後の照ノ富士(現伊勢ケ浜親方)に続いて3人目です。
大関再昇進時の景気局面は、1977年初場所の景気局面は景気の山、2021年春場所は景気拡張局面。現在の景気局面は、イラン情勢の景気への影響が不透明ななか、これまで続いてきた景気拡張局面が先行きどうなるか、微妙な状況でしょう。
懸賞本数2,481本で地方場所最高…企業収益の好調ぶり鮮明に
春場所の懸賞本数は2,481本。これまで地方場所最高だった25年名古屋場所の懸賞本数2,196本を285本上回り、地方場所最高を更新しました。春場所の懸賞本数の前年同場所比は+15.3%の2ケタの伸び率で16場所連続増加です。
企業の広告費、収益の好調さを裏付ける数字といえるでしょう。
※過去最高(赤色)、令和8年初場所3,355本で史上最高更新。
※地方場所最高(オレンジ色)、令和8年春場所で2,481本と地方場所最高更新。
春場所の懸賞事前申込本数は2,724本、前年比+18.5%で、地方場所で過去最高だった25年名古屋場所の2,391本を333本上回っていました。力士指定本数は、ご当地・大阪府出身の宇良が215本で最多。2位が横綱・大の里の208本、3位が関脇・高安の132本でした。ただし、残念ながら4日目から横綱・大の里が休場になってしまいました。
※令和7年秋場所、事前申し込み3,108本、実績2,926本。令和8年初場所、事前申し込み3,469本、実績3,355本、ともに過去最高。
※令和7年名古屋場所、事前申し込み2,391本、実績2,196本。令和8年春場所、事前申し込み2,724本、実績2,481本、ともに地方場所最高更新。
春場所で一番多く懸賞を獲得したのは、横綱・豊昇龍の386本。第2位は優勝した霧島の179本で、第3位は琴桜の170本でした。
春場所千秋楽の懸賞本数は215本で、地方場所の1日で懸かった懸賞の最多記録となりました。千秋楽結びの豊昇龍対安青錦の取組で勝った豊昇龍が手にした懸賞本数は56本でした。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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