(※写真はイメージです/PIXTA)

国際大会では、各国の文化や歴史の違いがチーム構成に表れます。野球の世界大会であるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も例外ではありません。実は参加国を「税制」という視点から見てみると、カリブ海地域の国々や欧州諸国の歴史的背景が浮かび上がってきます。ドミニカ共和国とドミニカ国の違い、カリブ海と欧州を結ぶ海外領土の存在など、税制と地政学が交差する興味深い構図が見えてきます。本記事では、2026年3月に『世界の税金はどうなっているのか 富裕層の相続戦略シリーズ【国際編】』を刊行した矢内一好氏がわかりやすく解説します。

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「ドミニカ」と「ドミニカ国」…似ている名前の別の国

準決勝でアメリカに惜敗したドミニカ共和国はカリブ海に位置し、同じ島をハイチと東西に分け合っています。人口は約1,000万人で、法人税率は27%とされています。

 

ニュースなどでは「ドミニカ」と略して報じられることが多いですが、実はカリブ海にはもう1つ似た名前の国があります。それがドミニカ国です。こちらもカリブ海に位置する島国で、人口は約7万人、島の面積は日本の奄美大島とほぼ同じ規模です。

 

このドミニカ国は、かつてタックスヘイブンとして知られていました。しかし、経済協力開発機構(OECD)の勧告を受け、国外所得を免税とする国際事業会社制度を廃止しました。その結果、以前のようなタックスヘイブンとしての特徴は弱まりました。なお、WBCに出場しているのはドミニカ共和国の方です。

イギリスとオランダがWBCに出場する理由

WBCの予選では、イギリスやオランダが出場していることに驚く人もいるかもしれません。

 

しかし、両国には共通点があります。それはカリブ海地域に海外領土を持っていることです。こうした地域では野球が盛んであり、そこからの移民やその子孫が代表チームに加わるケースも少なくありません。

カリブ海の野球人材と欧州の歴史

日本プロ野球のシーズン本塁打記録は、2013年に東京ヤクルトスワローズに在籍していたウラディミール・バレンティン氏が記録した60本です。彼の出身地は、カリブ海にある旧オランダ領のキュラソー島です。

 

この島は南米のベネズエラの沖合に位置しています。オランダ代表には、こうしたカリブ海地域出身の選手が多く含まれています。

 

また、イギリスもカリブ海に多くの海外領土を持っています。野球ではありませんが、オリンピックの短距離走で圧倒的な強さを誇るジャマイカは旧英国領です。

 

身体能力に優れたカリブ海出身の選手たちを中心にチームを編成すれば、国土の規模とは関係なく強い代表チームが生まれる可能性があります。

税制と歴史が見えてくる国際大会

WBCの参加国を税制や歴史の視点から見てみると、カリブ海地域と欧州諸国の関係、そして旧植民地の歴史など、スポーツの背後にある国際的なつながりが浮かび上がってきます。

 

単なる野球の国際大会に見えるWBCですが、参加国を少し違った角度から眺めてみると、税制や歴史、地政学までが交差する、もう1つの興味深い世界が見えてくるのです。

 

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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