「年金制度」は国が運営しているので安心と思われがちですが、なんらかの記録漏れや不備によって、本来もらえたはずの年金がもらえなくなってしまう可能性もゼロではありません。そのため、日頃から自身の「年金加入記録」をしっかりと把握しておくことが重要です。本記事では、服部貞昭氏の著書『知れば知るほど得する年金の本』(三笠書房)から一部を抜粋・編集し、年金受給のリスク管理の心得と対策を解説します。
「年金請求書」で年金のもらい忘れを防ぐ
年金をもらう前に必ずやるべきなのが、自分の「年金加入記録」をチェックすることです。
年金事務所から送付される「年金請求書」には、加入していた年金の種類と加入期間が、古いものから順にすべて記載されています。この記録を確認しないままでいると、「漏れ」や「誤り」があった場合に気づけず、本来より少ない金額しか年金を受け取れなくなる恐れがあります。
「年金は国が運営しているから大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、実際に過去に問題が起こっています。
2007年(平成19年)に、約5,000万件もの年金記録が持ち主不明となっていることが判明し、「年金記録問題」として大きな話題になりました。
かつてはいろいろな年金制度が存在し、それぞれ異なる番号で管理されていましたが、1997年(平成9年)に現在の基礎年金番号に統一されました。ところが、様々な理由により統合されなかった年金記録が出て、持ち主不明となってしまったのです。
特に記録漏れとなりやすいのは、次の3つのパターンです。
・転職を何度も繰り返した場合
・結婚や離婚などで名字が変わった場合
・名前の読み方や表記が複数パターンある場合
この3つのパターンだけで記録漏れ全体の9割を占めています。
2025年9月時点で、5,000万件のうち約3分の2は解明されたものの、残り3分の1は依然として未解明のままです。つまり、自分の加入記録が正しく紐づけられていない可能性は十分にあります。
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
新宿・はっとりFP事務所 代表
エファタ株式会社 取締役
長野県須坂市生まれ。数字と数学が大好きで6歳のときから現金出納帳をつけ始める。中卒の父から「サラリーマンでは金持ちになれない」と教えられ、中学2年生で起業を志す。経済や会計への関心から、学生時代には簿記のオンライン掲示板を自作し運営していた。
東京大学工学部卒業後、KDDIにてシステムエンジニアとして勤務。2014年に独立し、現在はファイナンシャル・プランナーとして、お金に困っている人の相談にのりながら、身近なお金に関する情報発信に携わる。ライフマネー・税金・相続関連のオウンドメディアを複数運営、総合月間150万PV超。これまでに2,000本以上の記事を執筆・監修。登録者10万人超のYouTubeチャンネル「お金のSOS」をはじめ、「ZEIMO」など4つのマネー系チャンネルを運営し、累計再生回数2,200万回を超える。
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連載【FP監修】シミュレーションが導く「年金のお得なもらい方」