年金受給を繰り下げする場合、「基礎年金」と「厚生年金」の受け取り時期を、それぞれ別々に設定することが可能です。では、両者を別々に繰り下げた場合と、同時期に繰り下げた場合を比較すると、どちらがよりお得なのでしょうか。本記事では、服部貞昭氏の著書『知れば知るほど得する年金の本』(三笠書房)から一部を抜粋・編集し、シミュレーション結果をもとに「繰り下げ受給」の最適パターンを解説します。
基礎年金と厚生年金は「同時」繰り下げがお得
繰り上げでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げる必要があります。
一方、繰り下げでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰り下げることができます。どちらか片方だけ繰り下げて片方は65歳受給開始でもいいですし、それぞれ別々の年齢に繰り下げても大丈夫です。
では、「同時に繰り下げる」と「別々に繰り下げる」では、どちらが有利なのでしょうか?
そこで、60~64歳の間で同時に繰り上げた場合と、66~75歳の間で同時または別々に繰り下げた場合の全パターンをシミュレーションしてみました。
老齢基礎年金を約7万円、老齢厚生年金を約9万円で合計16万円として計算しています。なお、手取りベースでの計算は時間がかかり難しいため、額面ベースでの計算を行っています。
その結果、想定寿命がどの年齢の場合でも、基礎年金と厚生年金を同時に繰り下げるパターンが最も有利になることがわかりました。
なんとなく、片方だけ繰り下げるほうが有利に思えるのですが、結果的には、同時に繰り下げるほうが有利です。ただし、これは額面ベースでのシミュレーションです。
手取りベースで考えて、年金以外に給与収入などがある場合は、結果が変わる可能性があることをご了承ください。
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
新宿・はっとりFP事務所 代表
エファタ株式会社 取締役
長野県須坂市生まれ。数字と数学が大好きで6歳のときから現金出納帳をつけ始める。中卒の父から「サラリーマンでは金持ちになれない」と教えられ、中学2年生で起業を志す。経済や会計への関心から、学生時代には簿記のオンライン掲示板を自作し運営していた。
東京大学工学部卒業後、KDDIにてシステムエンジニアとして勤務。2014年に独立し、現在はファイナンシャル・プランナーとして、お金に困っている人の相談にのりながら、身近なお金に関する情報発信に携わる。ライフマネー・税金・相続関連のオウンドメディアを複数運営、総合月間150万PV超。これまでに2,000本以上の記事を執筆・監修。登録者10万人超のYouTubeチャンネル「お金のSOS」をはじめ、「ZEIMO」など4つのマネー系チャンネルを運営し、累計再生回数2,200万回を超える。
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連載【FP監修】シミュレーションが導く「年金のお得なもらい方」