我慢しなくていい…老後生活を満喫した結果
「このままの生活を続けていたら、取り返しのつかない状態になりますよ」
仕事を引退し、ようやく自由を謳歌し始めて、まだ4年。医師にそう告げられたとき、吉岡さん(仮名・69歳)は思わず言葉を失いました。
吉岡さんは都内の建材メーカーに勤め、65歳まで働きました。役職定年後は年収が下がったものの、長年の貯蓄と退職金、そして数年前に受け取った親の相続もあり、退職時の金融資産は約6,300万円。住宅ローンはすでに完済。
夫婦2人の年金収入は月24万円ほどで、子どもも独立済み。まさに「老後勝ち逃げ」が決まっていたはずでした。
「これだけあれば、もうお金のことで心配や我慢をする必要はない」
――そう思うようになるのは、彼にとって自然なことだったのかもしれません。
「これまで長年頑張ったご褒美だから」
吉岡さんの日常は、現役時代とは一変しました。通勤による運動が消え、代わりにハマったのが「デパ地下巡り」です。好物のローストビーフや揚げ物、季節限定の高級ケーキ。ショーケースには、いつも魅力的な陳列で溢れるほどの食べ物が並んでいます。
「現役時代の飲み代に比べれば安いもの」自分にそう言い訳を重ねるうち、夫婦二人の食費は月15万円を突破していました。
1日3食というメリハリもなくなり、友人とお酒を飲むときも、現役時代のようにセーブはしませんでした。
しかし、その代償は残酷でした。

