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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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一社が売却すると「株式持ち合い」が連鎖的に崩壊する可能性も
4.「相互保有関係」の崩壊連鎖
自社が他社の政策保有株式を売却した場合、それは相手企業に「信頼関係の破綻」と受け取られ、報復的に自社の株式を売却される可能性があります。
企業間の株式持ち合いは、まるで堅固なクモの巣のように張り巡らされています。そのため、報復のような動きが一度始まると、複数の企業間で複雑に持ち合っている株式関係全体が、制御不能なかたちで次々と崩れ去るリスクをはらみます。
この崩壊の連鎖は、市場に大量の株式供給をもたらし、関係企業の株価を強く押し下げることになり、企業価値の低下に悩まされるリスクがあります。また、長年の取引関係も根底から揺らぎ、計画的な売却であれば可能であった調整の機会も失われてしまう可能性があります。
5.「売却する」と言い出しづらい
長年の取引関係や、経営者同士の個人的なつながりが深い場合、株式売却の意向を相手企業に伝えること自体が心理的な障壁となります。「なぜ売るのか」「もう関係は不要なのか」といった問いに対して、相手を納得させる明確な理由と関係継続への誠意を示す丁寧な説明が求められます。
しかし、これを上手に行うのは容易ではありません。日本特有の「義理人情」や「メンツ」といった要素が絡むこともあり、形式的な手続きだけでは解決できない複雑な問題となりがちです。
6.売却益が出た場合の税負担
もし多額の売却益が発生した場合、その利益に対して法人税が課税されます。「利益は出ていても、税金負担は避けたい」という考えから売却をためらうケースも皆無ではありません。ただし、これは売却による損失計上リスクと比べると、売却をためらう主要な理由にはなりにくい傾向があります。
政策保有株式については、これらの要因が複合的に絡み合い、たとえ経済合理性の観点からは売却すべきであると理解していても、なかなか行動に移せないのが実情です。
喜多 洲山
株式会社喜望大地 代表取締役会長
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